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長距離重賞ステイヤーズCはマキノスパークが圧勝

  • 2010年09月10日
  • マキノスパークが末脚炸裂
    マキノスパークが末脚炸裂
  • ハイペースでレースは流れた
    ハイペースでレースは流れた
  • 歓喜の様子で引き揚げてくる服部茂史騎手
    歓喜の様子で引き揚げてくる服部茂史騎手
  • 喜びの口取り
    喜びの口取り
  • 優勝馬関係者の皆さん
    優勝馬関係者の皆さん

 9月9日、門別競馬場では長距離重賞第54回ステイヤーズカップ(H1)[ゼンノロブロイ賞]が行われた。

 広い門別競馬場のトラックを1周半するマラソンレースに5歳~9歳の古馬11頭が顔を揃えた。人気は昨年の道営記念(H1)の勝ち馬コパノカチドキを筆頭に、ホッカドウ競馬転入後の勝ちっぷりが目を引く良血馬サクラシコウテイ、今季地元重賞を勝って末脚に磨きをかけているラプレ、皐月賞(Jpn1)2着の実績が光るサンツェッペリン。しかし、どの馬も経験の少ない距離だけに波乱の様相も漂っていた。

 レースはサクラシコウテイ、サンツェッペリンの2頭が飛ばし、序盤から淀みない流れに。先頭集団から少し離れた5番手にコパノカチドキ、ラプレは中団で待機し、縦に長い展開となる。2周目3コーナーに入ると逃げ・先行勢の脚があがり、控えていたリンガスファースト、マンボパートナーが先頭に入れ替わって直線へ。ルーキー・黒澤愛斗騎手の懸命のアクションでリンガスファーストが差を広げにかかったが、残り200mのところで後方でじっと待機していた伏兵マキノスパークがグイグイ追い込み、一気に前を行く各馬を捕えた。みるみるうちに差は開き、2着に7馬身もの差をつけて初重賞制覇を飾った。コパノカチドキが底力を見せて2着を確保、マンボパートナーが3着に入った。

 手綱を取った服部茂史騎手は所属する田中淳司厩舎に捧げる厩舎初の重賞タイトルをもぎ取った。ゴールの瞬間は高々とガッツポーズを決め、喜びをアピール。厩舎スタッフとガッチリ握手を交わし、胸を高ぶらせて引き揚げてきた。

 表彰式のインタビューでは、「レース前はじっくり後ろで我慢する作戦で、馬がそれによく応えて伸びてくれました。田中淳司調教師に重賞制覇をプレゼントすることが厩舎スタッフの目標だったので、優勝した時は感極まりました。」と、胸の内を語った。現在、ホッカイドウ競馬のリーディング第3位につけ、新進気鋭の田中淳司調教師にとってはメモリアルの勝利となった。

 マキノスパークの生産浦河町の佐々木恵一さん。佐々木さんにレースの感想を伺うと、「長距離戦で相手も強いので、今回は厳しい戦いになるかなと思っていましたが、この馬の決め脚が存分に生きましたね。牧場時代は順調に育ちました。父のスキャターザゴールドに強い思い入れがあり、期待を込めて配合した馬なので、結果を出してくれて嬉しいです。今後も故障せずに息長く走って欲しいと思います。」と、喜びを語っていた。

 マキノスパークの祖母ネーハイビューティは同牧場生産馬で現・準オープン(JRA)のティアップハーレーの祖母でもあり、孫世代の活躍が目立っている。牧場自慢の母系に掛け合わせた渾身の配合が実を結んだ結果となった。