サマーセールに静内農高生産馬「嬉桜々」が上場
8月24日、北海道市場で開催中の「サマーセール」では、北海道静内農業高等学校(新ひだか町)の生産馬「嬉桜々(きらら)」(牝1歳 父スターリングローズ 母ミシェロガール)が上場。フレッシュな高校生たちが各牧場と交じって生産馬をPRした。
この日、せり会場に駆け付けたのは同校の生産科学科6名の生徒たち。せりへ向けて毎日念入りにシャンプーやブラッシングを施し、他の上場馬と遜色ないきれいな馬体を披露した。気性的にややテンションの高いところがあるようだが、展示では稲葉さん(3年生)がしっかりと引き手をとり、大勢の購買者に囲まれてもイレ込みを見せることはなかった。
上場の順番が近づくと、嬉桜々は草なぎさん(3年生)の手にバトンタッチ。元気あふれる“宜しくお願いします”の声と共に堂々と鑑定人・購買者の前へ登場した。せりが始まるとまもなく声がかかり、結果、20万円(税抜)で大高朝幸氏が購買した。
「声がかかってくれた時は本当に嬉しかったです。せり会場の環境にも慣れて、落ち着いていました。競馬場では無事に走って欲しいと思います。」と、草なぎさんはほっと胸をなでおろしていた。
日頃、競走馬生産に関わる生徒たちの指導をしている同校の杉本先生は、「無事に売れて良かったです。ご購入いただいたオーナーと日頃お世話になっている皆さんに感謝です。気性的に燃えるところがある馬ですが、今日はカーッとなることもなく、生徒たちの馴致の効果が出ていたと思います。利口な馬になってきましたね。ホッカイドウ競馬でデビューする予定と聞いているので、是非生徒と応援に行きたいです。」と、安堵の表情でこれまでを振り返っていた。
未来のホースマンを夢見る生徒たちの手によって、着実に競走馬としての階段を駆け上がる嬉桜々。馬と共に青春を過ごす若い力が、今年も1頭のサラブレッドの未来を拓いた。