ブリーダーズGCはシルクメビウスが優勝
8月12日、門別競馬場では第22回ブリーダーズゴールドカップ(Jpn2)[アドマイヤムーン賞]が行われた。
今年の注目は故障による長期休養から復活を果たしたG1馬カネヒキリの出走。門別競馬場には多くの観客が来場し、パドックでは大勢のファン、牧場関係者がダート界の一流馬の登場に視線を送った。
秋のG1レースへ向けて今年の北の大一番にも豪華なメンバーが顔合わせ。カネヒキリの他にもJRAから昨年のジャパンカップダート(G1)2着馬シルクメビウス、各地の交流重賞で好走実績が光るマイネルアワグラス、ロールオブザダイスなど強力な面々が参戦。地方勢は地元ホッカイドウ競馬から前哨戦・星雲賞(H2)の勝ち馬ラプレら4頭が迎え撃ち、他地区からはJRA重賞勝ちのあるアドマイヤフジを含めた4頭が挑んだ。
レースはエイシンイッパツ、ロールオブザダイスが先行し、序盤から淀みのない流れに。隊列はかなり縦長となり、カネヒキリは好位を追走。4コーナーでマイネルアワグラスが仕掛けると、カネヒキリも連れて追い上げ、勝負は直線での攻防へ。抜け出しを図るカネヒキリの外から中団でじっと我慢していたシルクメビウスが並ぶ間もなく交わし、そのまま力強い脚取りでゴールを切った。2着には1番人気のカネヒキリ、3着にはマイネルアワグラスが入り、上位はJRA勢が独占する結果となった。
手綱をとった田中博康騎手はシルクメビウスとのコンビで3度目の重賞勝ち。ゴールの瞬間は左手でガッツポーズを見せ、引き揚げてくると首さしにしがみつきパートナーに感謝の意を表した。口取りや表彰式では多くのファンが「おめでとう」の声をかけ、鮮やかな勝利を祝福していた。
シルクメビウスの生産は日高町の森本牧場。レース後に森本さんにお話を伺うと、「本当に嬉しいです。力強い競馬をしてくれましたね。道中は折り合いもついていましたし、展開も向いたので十分勝つチャンスがあると思って見ていました。この秋も楽しみです。」と、喜びを語ってくれた。
故郷の舞台で強豪馬相手に素晴らしい走りを見せたシルクメビウス。ダート界の新チャンピオンとなるべく、鍛え抜かれた強さを存分にアピールした。