2歳重賞イノセントCはモエレフウウンジが完勝
8月11日、門別競馬場では2歳馬による重賞、第10回イノセントカップ(H3)[ハーツクライ賞]が行われた。
今年の出走メンバーは9頭。前走、2着に9馬身差を付け、鮮烈なデビュー勝ちを飾った牝馬マニエリスムを筆頭に、素軽い走りで初戦を楽勝したシルバーラビット、レコード勝ちで波に乗るダークリバースら素質馬が顔を揃えた。
断続的な雨が降りしきる中、1200m戦はスタート。断然の1番人気に推されたマニエリスムがまさかの出遅れで波乱の幕開けとなる。抜群のダッシュを決めたイチバンボシが逃げ、続いてモエレフウウンジが脚色良く先行。マニエリスムは最後方からの競馬を余儀なくされ、挽回の機を狙う。4コーナーを回って直線に入ると、モエレフウウンジが逃げるイチバンボシを捕え、直線半ばからグングン差を広げ、あっさりと勝負をつけた。中団グループにいたダークリバースが終いを生かして2着、シルバーラビットが3着に入った。注目のマニエリスムは差を詰めるも4着まで。ラブミーチャンの半弟として注目を集めるホクトは5着に食い込んだ。
モエレフウウンジはこれで通算成績3戦2勝。今回は出走メンバー中最も馬体重の小さい442kgでの出走となったが、躍動感あふれる走りで、見事に他馬を完封した。
騎乗した小国博行騎手は表彰式でのインタビューで、「強かったですね。道中は良い手応えでレースを進めることができました。ソラを使うところがあるので、最後の直線では気を付けました。まだまだ強くなる馬だと思いますので、これからも応援宜しくお願いします。」と、答えていた。小国騎手はクラキンコによる北斗盃(H2)、フロイラインカップ(H3)に続き、今年3つ目のホッカイドウ競馬重賞制覇となった。
モエレフウウンジの生産は新ひだか町の中村和夫さん。オーナーブリーダーとして長きにホッカイドウ競馬で生産・所有馬走らせており、これまで重賞競走も数多く優勝している。
モエレフウウンジの母ピサノガレーは現役時代JRAで4勝。3歳時には優駿牝馬オークス(G1)にも駒を進めた。血統も優秀で、ピサノガレーの母トロピカルサウンドⅡはビワハヤヒデ、ナリタブライアンを産んだパシフィカス、ファレノプシスの母キャットクイルと姉妹となる大物血統だ。ホッカイドウ競馬おなじみの“モエレ”の冠号から、今年も強力な2歳馬が現れた。