馬産地ニュース

パラダイスクリークが移動

  • 2010年08月09日
  • 16シーズン過ごした地を名残惜しそうに見つめるパラダイスクリーク
    16シーズン過ごした地を名残惜しそうに見つめるパラダイスクリーク
  • 新たな主人、前川義則氏(写真左)にバトンタッチされた
    新たな主人、前川義則氏(写真左)にバトンタッチされた
  • 関係者に見送られゆっくり馬運車に乗り込むパラダイスクリーク
    関係者に見送られゆっくり馬運車に乗り込むパラダイスクリーク

 新ひだか町のアロースタッドに繋養されていたパラダイスクリーク(牡21歳、父アイリッシュリヴァー)が8月7日、日高町の前川義則氏の牧場へ移動した。今後も同牧場で種牡馬生活を続ける。

 パラダイスクリークは1989年生まれの米国産馬。91年に米国でデビューし、3歳時にハリウッドダービー(G1)でG1初制覇を果たした。5歳になるとアーリントンミリオン(G1)、ワシントンDC国際(G1)、マンハッタンS(G1)など重賞7勝を含め北米で10戦8勝の快進撃。その勢いのままジャパンC(G1)に来日し、マーベラスクラウンのハナ差2着と好走した。

 95年にアロースタッドで種牡馬入りしると、JRA最優秀2歳牝馬テイエムプリキュア、帝王賞馬カネツフルーヴ、ニホンピロスワン、ローレルアンジュ、ニシノハナグルマ、アサカデフィートなど、多くの重賞勝ち馬を輩出。距離の長短、芝ダートを問わないオールラウンダーの種牡馬として活躍していたが、高齢ということもあり同スタッドを退厩することとなった。

 引き取った前川氏は今年、パラダイスクリークに3頭種付けし全馬受胎。所有者だった西山牧場と懇意にしていることもあり、受け入り先として手を挙げたという。

 退厩の日はスタリオン関係者が総出で見送り。馬運車に乗るのはスタッド入りの時以来で心配されたが、躊躇することなくすんなりと乗り込み、周囲を安心させた。出発の際も嘶くことなく落ち着いた様子。最後に担当者からはなむけのにんじんをプレゼントされ、静かに16シーズン過ごした地に別れを告げた。