馬産地ニュース

牧場で働こうフェアin東京競馬場が開催

  • 2010年07月29日
  • オープニング
    オープニング
  • 真剣に説明を受ける参加者
    真剣に説明を受ける参加者
  • 乗馬体験
    乗馬体験
  • 吉田照哉社台ファーム代表
    吉田照哉社台ファーム代表
  • 山元トレーニングセンターの木實谷雄太さん(右)
    山元トレーニングセンターの木實谷雄太さん(右)
  • 下河辺牧場の中根建さん(右)
    下河辺牧場の中根建さん(右)

 優秀な人材を軽種馬産業に迎え入れようという「牧場で働こうフェアin東京競馬場」(主催:牧場就業促進事務局)が7月28日、東京競馬場で行われた。 

 長引く不況で、深刻な社会問題となっている若年層の雇用環境の改善と慢性的な人材不足に嘆く軽種馬産業のミスマッチを解消しようと立ち上がった牧場就業促進事務局が開催した同フェア。夏休みということもあって全国から集まった600人を超える就業希望者が会場に足を運んで、優秀な人材を確保しようブースを出展した16牧場の概要説明に耳を傾けた。 

 会場内に設けられた講演スペースでは吉田照哉氏(社台ファーム代表)が「牧場で働くことの魅力~喜び」をテーマに「苦労が多い反面、世界を相手に勝負ができる充実感」を語り、蛯名聡氏(ビッグレッドファームマネージャー)は「牧場で働くということ~一個人の選択」をテーマに、自らの体験を交えて牧場での仕事を紹介した。また、下河辺行雄氏(下河辺牧場マネージャー)は、競馬産業をミュージカルに例えて、それぞれの役割などを説明し、根本明彦氏(ハッピーネモファーム代表)は「挑戦~牧場で働くことの厳しさ、やりがい」をテーマに自身の半生を振り返りながら、楽しさ、厳しさなどを熱く語った。 

 会場にはBOKUJOBにも登場いただいている山元トレーニングセンターで働く木實谷雄太さんや下河辺牧場の中根建さんも姿を見せ、就業希望者に牧場の説明をしたり、牧場で働くための心構えなどを説明した。また、会場の外では体験乗馬や装蹄実演、あるいは競馬博物館などのツアーガイドも行われ、夏休みの一日を楽しむカップルなどもいた。

  岡山県からフェアに参加した現役大学生(男子)は「これまで、牧場で働くということはテレビのドラマや映画のシーンを思い描くしかなかったので、直接話を聞けるチャンスは滅多にあるものではないと思い、ぜひとも参加したいと思いました。ここに来るまでは騎乗者という選択肢はなかったので、有意義な一日になりました」といい、千葉県から参加した現役高校生(女子)は「競馬が好きで、乗馬クラブに通っていますが、北海道は遠いので不安でした。今日、話を聞かせてもらって、身近な目標とすることができました」と会場を後にした。現在就職活動中という30代の男性は「牧場の仕事はもっとのんびりしたものかと思っていましたが、実際はすごくやりがいのある仕事だということを理解しました。年齢的な問題は残りますが、チャレンジしてみたくなりました」と熱心に耳を傾けていた。 

 出展した牧場主のひとりは「熱心な人が多いのは驚きました。希望者の数が多く、一方的な発信になってしまったのは残念。再びこういう機会があれば、資料を充実するなり、スタッフを増員して臨みたい」といい、またある牧場スタッフは「年齢的なことを気にする人が多かったですが、迷っているなら飛び込んで来てほしい」とエールを送っていた。玉村泰弘事務局長は「これからの軽種馬産業発展のためにも、若い、優秀な人材確保は不可欠なもの。今回は初めての試みにもかかわらず、多くの方に参加いただき、嬉しく思います。これをきっかけに、馬や牧場での仕事に興味を持ってくれる人がひとりでも増えてくれることを期待します」と語った。