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天皇賞馬アドマイヤジュピタに初仔が誕生

  • 2010年04月06日
  • アドマイヤジュピタの初仔
    アドマイヤジュピタの初仔
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 2008年の天皇賞(春)(G1)を制したアドマイヤジュピタ(牡7歳、父フレンチデピュティ)に初年度産駒が誕生した。

 その初産駒の1頭は、2月15日に新冠町の秋田牧場で産声を上げた鹿毛の牝馬。母は現役時代にJRA2勝を挙げたアイアイボタン(牝8歳、父アドマイヤベガ)。おじにオグリキャップ記念(G2)を勝ったアルアラン、近親に北海道2歳優駿(Jpn3)の覇者メトロノースらがいる血統だ。

 アドマイヤジュピタは03年のセレクトセールにおいて、4305万円(税込)で落札された市場取引馬。05年11月に栗東の友道康夫厩舎からデビューすると、3戦目で初勝利を挙げた。3歳春に2勝目を挙げたが、骨折のためクラシックシーズンは休養。4歳夏に復帰し本格化するとデビュー10戦目、格上挑戦となったアルゼンチン共和国杯(Jpn2)で重賞初制覇を飾った。5歳になり阪神大賞典(G2)を制すると天皇賞(春)(G1)に出走。レースでは同期の二冠馬メイショウサムソンを頭差退け、初のG1タイトルを獲得した。

 現役引退後の09年から安平町の社台スタリオンステーションで種牡馬入り。フレンチデピュティの後継として人気が高く、初年度シーズンは94頭の繁殖を集めたが、受胎率が振るわなかったため1シーズン限りで種牡馬引退を余儀なくされた。今春生まれる数少ない二世たちが最初で最後の貴重な産駒となる。

 同牧場の秋田俊彦社長は「アドマイヤジュピタは現役の頃から応援していたので種牡馬シンジケートにすぐ加入しました。1回の種付けで受胎し、期待通りのよい仔が生まれました。今年も種付したかったのですが・・・。この仔を無事に育てて競馬場へ送り出したいですね」と放牧地を駆け回る愛娘に期待をかけていた。
取材班