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海外護蹄最新情報研修会が行われる

  • 2010年02月08日
  • 研修会の模様
    研修会の模様
  • 同

  • 質疑応答が繰り返された
    質疑応答が繰り返された
  • 座長と海外から招いた講師の2名
    座長と海外から招いた講師の2名
 JBBA日本軽種馬協会(河野洋平会長)は、2月2日、同協会が行う軽種馬経営高度化研修事業の一環として日本装蹄師会受託事業の海外護蹄最新情報研修会を行なった。

 今回のテーマは「知っておきたい蹄のトラブルと、その対策」。近年では、とくに蹄病に関して生産者の関心が高まっており、そうした需要に応えようと海外から専門家を呼んでの講習となった。会場となった新ひだか町のホテルでは、生産者、獣医師、装蹄師ら約200人が出席。用意された椅子が足りなくなるほどの盛況ぶりで、予定された時間をはるかにオーバーしても席を立つ人がほとんどでないほどだった。

 今回の講師は、米国ケンタッキー州レキシントンの「ルードゥアンドリドル馬専門病院」の蹄病センターのスコット・モリスン獣医装蹄師と同センターのロドニー・キング装蹄師。

 スコットモリソン獣医装蹄師は「幼駒のフットケア」をテーマに「軽度の肢軸異常はその競走能力に影響しないという報告もあるが、年齢が進んだ競走馬に見られる肢蹄の異常や歩様の乱れは若いときの肢軸異常が原因の場合も多い。肢軸異常にはさまざまな症状があるが、これらの発生を監視し、管理することが第1歩」とよびかけた。さらに「肢軸に関するあらゆる異常を矯正することが責務」とその重要性を訴えた。

 また、ロドニー・キング装蹄師は「競走馬がより軽く、より早くと進歩する過程の中で蹄は犠牲になった器官である」と言い、そのため競走馬はさまざまな蹄病を発症しやすい動物だと位置づけた。「サラブレッドの競走生命は短いために、装蹄師と獣医師、そしてトレーナーとの相互協力の中で、可能な限りこれらの諸問題にすばやく対処し、競走に復帰できるようにすることが使命」と装蹄師の姿勢についての見解を述べた。

 講義終了後には具体的な奨励とその対応策についての質疑応答が繰り返された。
取材班