馬産地ニュース

日高で軽種馬生産振興会の総会が始まる

  • 2010年02月05日
  • 挨拶に立つ三石軽種馬振興会土居会長
    挨拶に立つ三石軽種馬振興会土居会長
  • 地域懇談会で組合の事業説明をする荒木組合長
    地域懇談会で組合の事業説明をする荒木組合長
  • 重賞優勝生産牧場の表彰を受けるフクダファームの福田真一氏
    重賞優勝生産牧場の表彰を受けるフクダファームの福田真一氏
 4日、三石軽種馬生産振興会(土居忠吉会長)の定期総会が各地域の先陣をきって地元本桐基幹集落センターで開かれました。
 総会には、JRA日高育成牧場 朝井洋場長、JBBA静内種馬場 中西信吾場長、HBA日高軽種馬農協 荒木正博代表理事組合長ほか関係団体からの来賓が約20名出席。総会では、理事会より21年度の事業報告ならびに収支決算、22年度事業計画、収支予算案が提案され承認された。

 また、総会前には21年度の三石地区の重賞優勝馬生産牧場の表彰式が行なわれ、受彰生産者の栄誉が称えられました。
 ワンダースピード(平安S、東海S),ワンダーアキュート(シリウスS、武蔵野S)の兄弟2頭の生産馬で四つの重賞優勝の快挙をあげたフクダファーム、日頃から「こんな事はめったにあることではない。天から降ってきたような幸運だね。」と語っていた福田真一さんも喜びも新たに笑顔を見せていた。
 21年度の三石地区重賞優勝馬生産牧場は、他に上村清志牧場(グランプリエンゼル 函館スプリントS)とケイアイファーム(シンメイフジ 新潟2歳S)、地方競馬では村上牧場(ネフェルメモリー 桜花賞、東京プリンセス賞)などがある。

 総会修了後には、恒例の「日高軽種馬農協との地域懇談会」が開かれたが、昨年の総代会で棚上げされ今年に持ち越されている組合側の「主取手数料1%の徴収」案が最大の争点となった。
 「この経済状況の中、市場で馬が売れなかった上に手数料を取られたら生活できない。何故主取手数料が必要なのだ。」など、窮状を訴える会員側に対し、会員の経費節減要求に、遊休施設の処理や細部にわたる見直しで経費節減の成果を得た組合側は「我々も最大限の努力をしている。本案は、市場の信頼性を高め将来を見据えた市場活性化案で、皆さんの生活に還元するための大事な案件」と、荒木組合長も真剣な面持ちで説得する。 激しい質疑応答が繰り返されたが結果は平行線をたどり総代会への持越しとなった。
 この論争は、「市場の改革案」から「組合の運営改善」、「生産者の馬を売るための意識改革」など、核心に迫るテーマまで発展している。
 総代会でどのような結論が出るのか予想も出来ないのが現状だが、双方の目的は「馬産界の活性化」で一致する。今回の論争が馬産地日高の発展に向けた起爆剤となって弾ける事を誰もが望む。
 振興会の定期総会と地域懇談会は、このあと平取町・荻伏・様似町・新冠町・浦河町・門別町・静内の順番で2週間にわたって開催される。

※軽種馬生産振興会は、競走馬の生産・育成技術の向上と会員相互の親睦を目的として、日高では、昭和23年~24年頃各地域で設立されている。また、当時の会員数は各地とも20名~30名程と関係資料に記されている。

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