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ホッカイドウ競馬で今年最初の重賞北斗盃

  • 2010年04月30日
  • パドックで周回するクラキンコ
    パドックで周回するクラキンコ
  • 鋭く伸びたゴール前
    鋭く伸びたゴール前
  • レース後のクラキンコ
    レース後のクラキンコ
  • 喜びの口取り
    喜びの口取り
 4月29日、門別競馬場ではホッカイドウ競馬今年最初の重賞、第34回北斗盃(H2)[ヨハネスブルグ賞]が行われた。

 レースは単勝1番人気に推されたクラキンコ(牝2歳、父クラキングオー)が中団追走から直線でインを突いて伸び、見事に初重賞制覇を飾った。勝ち時計は1分11秒8。2着にはパシコジュリエ(牝3歳、父アジュディケーティング)、3着にはメジャーテースト(牡3歳、父アドマイヤコジーン)が入り、1着から単勝1、2、3番人気の順に入る堅い決着となった。

 クラキンコの生産は日高町の倉見牧場。クラキンコの父であるクラキングオー(2000年北海優駿、2002年道営記念優勝馬)も、母クラシャトル(1994年北海優駿優勝馬)も倉見牧場の生産馬で、クラキンコは牧場が生んだ活躍馬による結晶だ。今回、父母と共にホッカイドウ競馬の重賞を制すという離れ業を成し遂げた。

 表彰式後、倉見さんにお話を伺うと、「大変嬉しいです。この血統を実現させて良かったと思いました。夢が広がる勝利です。」と、感無量の様子で語っていた。

 口取りでは重賞制覇に沸く大勢の関係者が取り囲み、ウイナーズサークルは温かいムードに包まれた。母クラシャトルはクラキングオーの仔を受胎しており、まもなく出産を迎えるそうだ。競馬のロマンを存分に感じさせるこのファミリーは、更に繁栄を遂げてくれるだろう。

 ホッカイドウ競馬の解説を務める楽天スペシャルアドバイザーの古谷剛彦さんはクラキンコのレースぶりを振り返って、「馬群でも臆せず競馬が出来るようになり、気性面の成長がうかがえる内容でした。父母は北海優駿の勝ち馬ですし、距離は延びた方が合うでしょう。今後も牡馬相手でも互角以上に戦えると思います。」と、回顧した。

 これまでのクラキンコの戦績をひも解くと、昨年10月のエーデルワイス賞(Jpn3)出走後、戦いの舞台を東へ移し、桜花賞馬アパパネとも戦い、南関東大井では勝利も挙げた。強いメンバーと揉まれた経験が今生きているのだろう。ホッカイドウ競馬3歳クラシックの第1冠目を制し、今度は父母と合わせて2代北海優駿制覇へ挑むことになりそうだ。クラキンコの偉業達成へ、競馬ファンの注目は高まっている。
取材班