馬産地ニュース

名古屋競馬場で“生産者の祭典”JBC競走が行われる

  • 2009年11月05日
  • 多くの観客で賑わった名古屋競馬場
    多くの観客で賑わった名古屋競馬場
  • ゴールドウイング賞(SP1) 優勝のパラダイスラビーダ
    ゴールドウイング賞(SP1) 優勝のパラダイスラビーダ
  • JBCスプリント(Jpn1) 優勝のスーニ
    JBCスプリント(Jpn1) 優勝のスーニ
  • JBCクラシック(Jpn1) 優勝のヴァーミリアン
    JBCクラシック(Jpn1) 優勝のヴァーミリアン
 11月3日、名古屋競馬場にてJBCクラシック(Jpn1/ダート1900m 1着賞金1億円) とJBCスプリント(Jpn1/ダート1400m 1着賞金8000万円) が行われた。今年で9回目を迎えるJBCの2競走であるが、アメリカのブリーダーズカップに倣い、全国の地方競馬場を舞台に持ち回りで開催されている。

 JBCの正式名称は「ジャパン・ブリーディングファームズ・カップ」と呼ばれ、“地方競馬の祭典”とされるだけでなく、“生産者の祭典”でもある。過去に大井(4回) 、盛岡(1回) 、名古屋(1回) 、川崎(1回) 、園田(1回) で行われているJBC競走だが、名古屋は4年ぶり2回目の開催になる。前回の名古屋開催では、馬券売り場の混雑など一部に混乱もあったが、今回は、窓口を増やすなどで対応し、大きな混乱はなかった。

 当日の名古屋競馬場は、青空の広がる絶好の競馬日和、朝から多くの観客が競馬場に集まった。JBCイメージキャラクターであるプリンセス・テンコーのトークショー、全レースの企業協賛冠レースなどが行われた他、地方競馬出身の安藤勝己騎手、岩田康誠騎手による一般競走のエキストラ騎乗もあり、盛り上げに一役買っていた。

 JBC2競走の前には、全国各地の2歳馬重賞をシリーズとして行う「未来優駿2009」第48回ゴールドウイング賞(SP1) が行われた。過去に東海地区の名馬・オグリキャップやライデンリーダーが優勝した出世レースを制したのはパラダイスラビーダ(牡2歳 父パラダイスクリーク 母リオデラビーダ) 、タンブリングダンスとの叩き合いの末、アタマ差でレースを制した。

 いよいよ始まるJpn1 2連発、多くのファンがパドックを取り囲む中、JBCスプリント(Jpn1) の周回が始まった。ダート短距離馬にとっては年に1度のJpn1レース、人気を集めそうなフェラーリピサが枠順発表後に取り消しと、少し寂しくなったが、全国から韋駄天11頭が集結した。

 アドマイヤスバルとのマッチレースを制して優勝したのは川田将雅騎手騎乗のスーニ(牡3歳 父Soto 母Enabre) 、3歳馬による初のJBC優勝を果たした。2歳時には全日本2歳優駿(Jpn1) を制し、期待されたスーニだったが、3歳時は惜敗が続いていただけに、関係者にとっても嬉しい復活劇だった。

 JBCスプリント(Jpn1) の興奮が醒めないまま、JBCクラシック(Jpn1) の周回が始まった。注目は過去2年の覇者であり、このレースに「前人(馬) 未到」のG1(Jpn1) 通算8勝目の掛かったヴァーミリアン(牡7歳 父エルコンドルパサー 母スカーレットレディ) だ。

 フルゲート12頭で行われたレース、逃げるマコトスパルビエロ、2番手のワンダースピードが終始ヴァーミリアンを揺さぶる展開となったが、日本一短い直線で追い出すと、ジワジワと前を捕らえ、3頭横並びの激しいデッドヒートを制したのはヴァーミリアン、2着マコトスパルビエロにアタマ差、3着ワンダースピードにアタマ+クビ差という死闘だった。過去の名馬シンボリルドルフやディープインパクトでさえ達成できなかったG1(Jpn1) 通算8勝目を果たし、改めてその勝負強さを印象付ける勝利だった。

 最終レースが終わると、夕暮れに包まれ、「祭りの後の寂しさ」が漂う名古屋競馬場だったが、大いに盛り上がった1日だった。来年の第10回開催は初の船橋競馬場で行われる。
取材班