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ゴールデンキャストが引退、功労馬になる

  • 2009年11月02日
  • 吉田牧場にて余生を過ごすことになったゴールデンキャスト
    吉田牧場にて余生を過ごすことになったゴールデンキャスト
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 芝の短距離を中心に活躍し、2004年、2005年とセントウルステークス(G3)を連覇したゴールデンキャスト(牡9歳、父タイキシャトル 母リターンバンダム)が競走馬登録を抹消、安平町の吉田牧場で功労馬として余生を過ごすこととなった。

 ゴールデンキャストは2002年、JRA(橋口弘次郎厩舎)からデビュー、3戦目で初勝利を挙げると、連勝でききょうステークスを制し、一躍3歳短距離路線の有力馬として注目された。1番人気に推されたNHKマイルカップ(G1)では、11着と人気を大きく裏切る結果となったが、4歳夏に本格化、小倉日経オープンを優勝すると秋にはセントウルステークス(G3)で初重賞制覇を果たす。その後は芝1200m戦を中心に戦い、セントウルステークス(G3)(2勝目)、福島民報杯、北九州短距離ステークスを優勝、中央成績47戦8勝のうち6つの勝ち星を芝1200m戦で挙げている。

 2007年、4度目の出走を果たしたセントウルステークス(G2)で15着と大敗し、中央競馬を引退。一旦は乗馬になることが決まっていたが、曾和直榮調教師(園田)の熱烈なラブコールから、現役を続行することとなり、園田競馬での再スタートとなった。地方競馬では、不慣れなダートのレースに戸惑ったものの、地方重賞の笠松グランプリで2着、東海桜花賞で3着に入るなど、往時の力を感じさせていた。

 2008年4月、右前に脚部不安を発症し1年半もの休養をすると、今年の7月に一旦は高知競馬の田中守厩舎への移籍が決まったが、脚部不安が再発、ゴ-ルデンキャストの熱心なファンだった方が個人オーナーとなり、「引退馬ネット」の仲介で吉田牧場を紹介され功労馬としての預託が決定、10月20日に牧場に移動した。

 吉田牧場に移動したゴールデンキャストは、功労馬のフジヤマケンザンらと並んだ放牧地に放されているが、9歳と若いだけあって新天地でも元気一杯に過ごしている。「ゴールデンキャストの出走するレースは可能な限り見に行った。」という新しいオーナーさんだが、本馬を引き取るにあたっては、色々な方から助言や協力を受けたそうで、本馬の関係者に深く感謝を述べてる。現在はBTCが行っている「引退名馬等のけい養展示」の助成を申請中とのことだが、今後は功労馬として元気な姿をファンに見せてくれるだろう。
取材班