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ヤマニンゼファーが種牡馬を引退

  • 2009年10月02日
  • 種牡馬引退が決まったヤマニンゼファー
    種牡馬引退が決まったヤマニンゼファー
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 新ひだか町のレックススタッドに繋養されているヤマニンゼファー(牡21歳、父ニホンピロウイナー)が、今シーズンをもって種牡馬を引退することが決まった。今後は生まれ故郷である新冠町の錦岡牧場で、功労馬として余生を送る。

 ヤマニンゼファーは父ニホンピロウイナー、母ヤマニンポリシー、母の父ブラッシンググルームという血統。1988年5月、母ヤマニンポリシーの3番仔として錦岡牧場で誕生した。

 旧4歳時、91年3月の中山でデビュー勝ち。この年ダートで3勝を挙げると、暮れのスプリンターズS (G1)に出走。重賞・芝未勝利の身でのG1初挑戦となったが7着と善戦した。古馬となり京王杯スプリングC(G2)3着を挟んで出走した92年の安田記念(G1)では、11番人気の評価を覆して優勝。初重賞勝利をG1で飾り、G1ウイナーの仲間入りを果たしたと同時に、父ニホンピロウイナーに続き父仔2代安田記念(G1)制覇という偉業を成し遂げた。

 旧6歳になると京王杯スプリングC(G2) (1着)をステップに、安田記念(G1)2連覇を達成。天皇賞(秋)(G1)では距離の不安が囁かれる中、セキテイリュウオーとの叩き合いを鼻差制し、3つ目のG1を手にした。この年、JRA最優秀5歳(現4歳)以上牡馬、JRA最優秀短距離馬、JRA最優秀父内国産馬のタイトルを獲得。通算20戦8勝の成績を収めた。

 現役引退後はレックススタッドで種牡馬入り。父としてサンフォードシチー(武蔵野S(G3))、ヒゼンホクショー(東京オータムジャンプ(JG3))などを、母の父としてドンクール(兵庫チャンピオンシップ(G2))を送り出した。最盛期には100頭を超える種付頭数を記録していたが、シンジケートが解散してからは年々減少。昨年、今年と種付頭数はゼロだったことや、来年22歳と高齢なることなどが考慮され、16シーズンに及ぶ種牡馬生活にピリオドを打つことになった。

 同スタッドのボス的存在だった同馬。放牧地で佇む姿、若々しい体の張りは21歳とは思えぬほどだ。すでに移動に備え去勢手術も無事に終了。受け入れ態勢が整い次第、錦岡牧場へ移動するという。
取材班