馬産地ニュース

若手就業者参入促進プランの意見交換会が行われる

  • 2009年08月10日
  • 挨拶する玉村事務局長
    挨拶する玉村事務局長
  • ゲート練習する育成者
    ゲート練習する育成者
  • トレーニングセールで活躍する育成者
    トレーニングセールで活躍する育成者
  • 市場で活躍するコンサイナー
    市場で活躍するコンサイナー
 シーザリオのアメリカンオークス圧勝、デルタブルースのメルボルンC制覇。そしてアドマイヤムーンのドバイデューティフリー優勝など日本産馬の質的向上はめざましいが、その一方で馬産地では牧場就労希望者が激減。深刻な労働力不足に悩まされている。

 そこで競走馬育成協会、BTC軽種馬育成調教センター、JBBA日本軽種馬協会、JRHA日本競走馬協会、JRA日本中央競馬会が協力して「牧場若手就業者促進事務局」を発足。その意見交換会が8月8日、JRA札幌競馬場内会議室で行なわれた。

 会には、事務局を構成する団体役員ほか日高支庁、ハローワーク浦河、静内農業高校らの関係者も出席し、活発な意見交換が行なわれた。

 冒頭、玉村泰弘事務局長は「近年、サラブレッドの生産育成は、ウマの成長にあわせて分業化、専業化が進んでおり、構造的な労働力不足に陥っている。育成業界が落ち込むと競馬サークル全体の落ち込みにもつながりかねない」とあいさつ。事務局発足のいきさつを説明し、労働力不足が業界に与える影響の大きさを訴えた。

 そのため、JRA日本中央競馬会と競走馬育成協会では昨年3月から北海道内外の育成牧場、JRA競馬学校、ハローワークなどで現地ヒアリングを行う一方で192の牧場に対してアンケートを行い、新規就業者の参入促進の必要性を強く感じたという。

 意見交換会では就業希望者側と雇い入れ側に大きなギャップがあることや、受け入れる牧場側の社会保険制度の不備などが指摘される一方で、夢や希望よりも安定を求める近年の若者気質も問題として取り上げられた。

 いずれにしても「強い馬づくりは人づくりから」といわれるように、優秀な馬作りには優秀な人材育成は欠かせない。同事務局ではインターネットなどで専門サイトを立ち上げるほか、就職フェアなどを実施するプランが発表されたが、深刻化する問題にはサークルが一丸となって取り組む必要性がありそうだ。
取材班