馬産地ニュース

ホッカイドウ競馬開幕に向けHRA井村専務抱負を語る

  • 2009年04月11日
  • 抱負を語る井村勝昭HRAホッカイドウ軽種馬振興公社専務
    抱負を語る井村勝昭HRAホッカイドウ軽種馬振興公社専務
  • 試走に照明のつけられたコースと新スタンドポラリス☆ドーム
    試走に照明のつけられたコースと新スタンドポラリス☆ドーム
  • 多くの報道陣も集まった
    多くの報道陣も集まった
  • 開放されたドームに集まる厩舎スタッフにも笑顔が浮かぶ
    開放されたドームに集まる厩舎スタッフにも笑顔が浮かぶ
 ホッカイドウ競馬は、今月29日にJRA札幌競馬場で開幕、5月20日から11月の最終日までは、ホームレースコースとなるHR門別競馬場でナイトレース「グランシャリオナイター」が開催されます。新しく運営母体となったHRA北海道軽種馬振興公社の井村勝昭専務に新生ホッカイドウ競馬への抱負を語っていただきました。

 井村専務は、JRAに在籍中は中京競馬場長も務めた方で、2003年にBTC(軽種馬育成調教センター)日高事業所長として来道、2年前にホッカイドウ競馬再生に向けた新運営組織のリーダーとして地元関係者からの強い要望で就任する事になった。
 かつては、多額の利益を得、道財政に貢献してきた道営競馬だが、近年の累積する赤字運営は、ホッカイドウ競馬存続の危機をも抱えているだけに同公社への期待は大きく責務は重い。

 就任後、関係団体を駆け回り、同公社スタッフと共に改革に向け手を尽くしてきた井村専務は
「生産者はじめ関係団体が産地一体となった支援に支えられました。道の財政状況が厳しい中、施設整備についてもNAR,JRAなどの大きな支援でナイターレースの実施に向けた施設を整える事ができました。施設については、まだまだ、整備したいものはありますが、先ずは今年良い競馬をしてからですね。北海道らしい空気の中で馬産地競馬の魅力を存分に出したいです。」
 と、‘想定外だった’という昨年来の大きな不況の中で、新生ホッカイドウ競馬の開催に漕ぎ着けたことに安堵の表情を浮かべている。

 具体的な施策は
 「ホッカイドウ競馬の魅力は、先ずは2歳戦です。重賞だけでなくフレッシュ(新馬)戦や条件戦も早くに年間のスケジュールを立てて発表します。関係者の方は、今後を見据えた予定が立てられますからね。」
と、ホッカイドウ競馬の魅力の要点から語る。
 これまでも、重賞を含めた2歳戦の番組に力を入れてきたホッカイドウ競馬だが、井村専務は、さらに中央の2歳重賞戦線やクラシック戦線に向けてのローテーションを明確にして関係者に取り組んでもらい、ファンにも注目してもらう事を想定している様子。
 外厩制度の整った現在、生産地での育成・調教のウエイトも重くなってきたが、地元で管理厩舎とともに愛馬のレース振りを調整して全国へ送り込む事が出来れば、関ってきたリスクも軽減できることが予想される。‘新馬はホッカイドウ競馬から全国の競馬場へ’という構図も夢ではなさそうだ。限られた予算の中でだが、馬主さんを考慮した賞金体制も既に組まれている。

 さらに、ホームレースコースとなる門別競馬場について
 「門別競馬場は、地域と一体となった施設を目ざしています。非開催日には、イベント等、様々なことに利用してもらい、特産品や地元産物の食べ物も多いに活用したいですね。全国の競馬ファンや観光客の方にも寄ってもらえるようなアミューズメントパークであったらと思います。」
 と意欲を見せる。

 最後に井村専務はキッパリと語った。
 「ホッカイドウ競馬は、競馬界にとっては無くてはならない存在です。経営目標は、22年度の収支均衡となっていますが、今年で一気に均衡できるよう頑張りたい。」
 と。

 この日の夜、門別競馬場では、本番を見据えるシュミレーションとして、8頭立による試走、実況放送、カメラなど、重点となった照明を中心にテストが行なわれた。
 試乗に跨った騎手も「明るくて走りやすいです。馬の方も問題は無いようです。」とまずまずの評価。新設スタンド・ポラリス☆ドームもJBCビジョンをはじめテストされ、厩舎のスタッフや家族も60名ほど訪れた。行き会った田部井調教師も「本番になったら来られないからね。」と笑顔でドームに入って行く。みんなの笑顔や歓声に今後への想いが籠められる。

 テストを見守った井村専務も「まずまずですね、」と表情を緩めていた。
 新生ホッカイドウ競馬門別開催は5月20日からです。馬券ファンの方も、牧場見学の方も、初めての方も是非立ち寄って、産地一体となった関係者の熱い想いへ支援をお願いいたします。

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