故郷に戻り１年。母となる日を待ちわびていたスイープトウショウが２月25日、無事にアグネスタキオンとの間にもうけた初仔を出産した。
　
　「予定日から１２日遅れていましたし、初産にしては大きいお腹だったので難産が心配でしたが、出産はスムーズな安産でした。産んですぐ子供の側へ行き、一生懸命嘗めてあげている姿を見て安心しましたよ。ファンの方からたくさん安産のお守り、出産後にはお祝いのお花やニンジンを頂きまして、本当にファンの多い馬なんだと改めて実感しまし た」と志村吉男場長。
　
　小振りながら均整の取れた馬体をもった鹿毛の牝馬は、誕生から４日後パドックデビューを果たし、初めて触れる外の世界を楽しんでいた。
　「お母さんに似て奇麗な顔立ちをした美人でしょ？色素が薄いのか、同じ鹿毛でもちょっと変わった毛色をしてるんです。スイープは授乳に必要なエネルギーを得るために放牧地では食べてばっかりですけど、子供がちょっとでも離れると慌てて追いかける子煩悩な良いお母さん。子供が可愛くて可愛くて仕方ないって感じですよ」（志村場長）
　
　現役時代は自分が納得しないと動かない頑固な面を見せていたスイープトウショウが、あっちへこっちへと動き回る我が子に振り回されている姿は微笑ましい光景だった。

　　　　　　　　　　　　　　　　日高案内所取材班

* トウショウ牧場さんは馬の見学ができませんのでご了承下さい。