馬産地ニュース

ライターの馬産地紀行 Vol.13~赤見 千尋

  • 2008年10月25日
  • 赤見 千尋さん
プロフィール/あかみ ちひろ
平成10年10月高崎競馬場で騎手デビュー。2033戦91勝、高崎競馬場廃止と共に引退。現在は騎手時代の経験を生かして、関東UHF『中央競馬ワイド中継』日曜リポーターや、競馬サイト『オッズパーク』などで連載中!
    赤見 千尋さん
    プロフィール/あかみ ちひろ
    平成10年10月高崎競馬場で騎手デビュー。2033戦91勝、高崎競馬場廃止と共に引退。現在は騎手時代の経験を生かして、関東UHF『中央競馬ワイド中継』日曜リポーターや、競馬サイト『オッズパーク』などで連載中!

 Vol.13 赤見 千尋~オータムセールと最後の旭川競馬場で

 サマーセールは何年も続けて見ていますが、オータムセールを見たのは今年が初めて。どんな感想を持ったかというと・・・みんな真剣だなぁ~ということ。
 もちろん、サマーセールだって真剣でした。競走馬は安い買い物ではないですからね。でもオータムセールの方が、より危機感のようなものが漂っていて、売る側も買う側も、まさに去年流行った『どげんかせんといかん!』て感じ。

 少しでも高く売りたい生産者と、少しでも安く買いたい購買者との駆け引き。『いい馬を』という視点だけではなく、マイナス要素をいかに補うことができるか、という目も必要で、競走馬を買うことの難しさを改めて実感しました。

 そうなんです!血統が良くて身体つきも申し分ない馬は、ものすごく高いんです!!オータムセールではそういう馬が求められているのではなく、手頃な値段で走る馬か・・ということが大切な要素。高い=走るとは限りません。安い馬で高馬やエリート血統の馬たちを負かす・・無名の種牡馬の仔馬が大活躍する・・これがドラマですよ。

 今年は、セレクトセール・サマーセール・オータムセールという3つの大きなセリを見ることができました。それぞれに特徴があり、とても勉強になりました。
 セリは競馬界のドラマの始まりです。ここから巣立っていった馬たちの活躍が、今から楽しみです♪


 始まりを見た後は、旭川で終わりを見て来ました。私自身も経験しましたが、競馬場の廃止というのは淋しいものです。道営自体がなくなるわけではないので、北関東の時のような絶望感はなかったけれど、4000人を超えるファンが詰め掛けて、旭川競馬場との別れを惜しみました。

 驚いたのは、若いファンの多さ!女子もたくさん来ていて、スタンドはすごく華やかでした。さすがに小枝佳代アナウンサーの「これが旭川最後のレースです」という実況にはウルッときましたけど。たくさんのファンに惜しまれながら幕を閉じた旭川競馬場。これからは2度とレースをすることはないけれど・・最後の勝利も地元・山口竜一騎手が1番人気に応えて強い競馬を見せてくれたし。素敵な終わり方だったと思います。

 旭川が幕を閉じたことで、新しい一歩を踏み出した道営競馬。生産界と連動して、とてもレベルが高いですからね。道営に活気があってこその、日本の競馬界です!