馬産地ニュース

静内でウインチェスターF吉田直哉氏の講演会

  • 2008年09月28日
  • ウインチェスター・ファーム吉田直哉氏
    ウインチェスター・ファーム吉田直哉氏
  • 吉田直哉氏の基調講演
    吉田直哉氏の基調講演
  • パネラーに若手のリーダーたちを集めたパネルディスカッション
    パネラーに若手のリーダーたちを集めたパネルディスカッション
 「国際化に対応した馬産と経営-ケンタッキーからの提言-」というシンポジウムが、9月24日に新ひだか町のウインズ静内で行われた。

 JRA日高育成牧場、日本軽種馬協会、日高軽種馬農業協同組合が主催する強い馬づくりをテーマとした講演会は今回が4回目。昨年に引き続きウインチェスターファームの代表でもある吉田直哉さんを招き、ケンタッキー州や行われている馬産と、パート1国となり国際化に向かう生産界への指針を約1時間半に渡って講演した。

 講演は大型ビジョンを用いて行われ、そこには講演のテーマだけでなく牧場の風景や新聞の文字も映し出されていた。視覚だけでなく、わかりやすい吉田氏の説明も加わったことで、参加者の中にはメモを取る人も多く見られていた。

 この講演の後には吉田氏と若手生産者を交えてのパネルディスカッションも行われた。このディスカッションでは世界の馬産だけでなく国際的なセリ市にも精通している吉田氏に、国際的な日本の市場の評価や、外国人バイヤーが来たときの対応など様々な質問がパネラーから飛んでいた。
パネルディスカッション「日高から世界へ」
コーディネーター 朝井洋JRA日高育成牧場場長
         木村慶純JBBA静内種馬場長
パネラー     吉田直哉
         三好直樹(荻伏三好ファーム)
         根本明彦(ハッピーネモファーム)
         伏木田修(伏木田牧場)
         服部健太郎(服部牧場) 
         若林順一(若林武雄牧場)

 吉田氏は外国人バイヤーとの公正な取引を行うためにもレポジトリーの重要性をあげ、また市場では下見の時間を多く取ることを提言していた。また、パート1国となったことで、セリ名簿にも国際的な基準でブラックタイプが表記できることをあげ、「競争成績だけでなく、国際的にも高額である日本の賞金をドルで表記することで、上場馬の評価をあげることにも繋がるはず」と話していた。
 また、外国の開催に合わせたセリ日程を組むことや、世界では牝馬の取引額が日本ほど低くなっていないことを述べて、「世界の名血を引く牝馬が、安く繁殖として購買できるセリというプロモーションを組んでもいいのではないか」とも話していた。

 出席者の中からは「この講演で話していた全てを取り入れることは難しいかもしれないが、自分の出来る範囲でこれからの国際化に向かっていこうと思った」との言葉や、「世界の生産界を知っている吉田氏の言葉を聞いたことで、今、自分たちが置かれている現状を改めて理解することができた」との声も聞かれていた。

              日高案内所取材班