馬産地ニュース

日本のせりの将来について~JRA坂本氏の講演

  • 2007年11月14日
  • 講演するJRA生産育成対策部調査役の坂本浩治氏
    講演するJRA生産育成対策部調査役の坂本浩治氏
 日本軽種馬青年連絡協議会(会長・三好直樹)は、12日、JRA生産育成対策部調査役の坂本浩治さんを招いて「日本のせりの将来について」をテーマとした講演会を札幌市内のホテルで行った。全国から集まった若手生産者ら50人が熱心に耳を傾けた。
 
 坂本さんは、栗東トレーニングセンター診療所やJRA日高育成牧場専門役などを歴任。現在は前出職でJRA育成馬の購買官として全国の市場で馬選びをしている。
 講演では、来年で4回目を迎えるブリーズアップセールについて立ち上げ当時の苦悩や懸念、そして成功にいたるまでの経緯を解説。魅力ある市場とするために馬の血統や馬体はもちろん、とくに健康にこだわったこと。そして市場に対する安心感、信用度を得るために情報の開示を積極的に行ったこと、購買者にとっての快適なセール環境はどういったものなのを熟考して実践してきたことなどを語った。そして、今後もJRA育成業務の一貫としてトレーニングセールのモデルケースとなるよう取り組んでいく事などが発表された。
 
 またセレクトセールの開始によって、市場そのものに対する見方が大きく変わったことや、生産頭数に対する市場上場実頭数が増えてきていることなど、現在の市場の動向についてをスライドを交えて説明した。
 JRA育成場の購買官として、またJRAブリーズアップセールの主催者として、今後、目指すべき市場の姿は「購買者と販売者が安心して楽しめる市場づくり」が不可欠であるとして、その根底には「互いに納得し、気持ちよく取引を行うことができる環境づくり」の必要性を訴えた。

                 日高案内所取材班