一昨年より行われていた、苫小牧・ノーザンファーム空港牧場の屋内直線坂路コースの延長工事がこの度完成。９月20日からは延長されたコースでの調教も始まっている。
　これまでの屋内坂路コースの全長は７５０Ｍと、平成12年に完成した当初は国内の育成施設でもトップクラスの規模を誇っていた。
　ただ、日進月歩で進んでいく育成調教の流れの中で、翌年には安平町・ノーザンファーム早来牧場にも全長８００Ｍの屋内直線坂路コースが完成。斜度も空港牧場より勾配を付けられたことによって、負荷をかけられるだけでなく、馬を止める際の足元への負担も軽減されるという効果もあった。
　この度の延長工事により、空港牧場の屋内直線坂路コースはそれまでの全長７５０Ｍから９００Ｍへと延長。また、延長部分１５０Ｍの斜度が７％となったことで、全速力で駆け上がってきた馬も足元に負担をかけずに止まるようになった。
　実際に騎乗したスタッフからも、「これまでは止めなければという気持ちで跨っていましたが、これで終いまでゆとりを持って乗ることができます」との声も聞かれている。
　この春に行われた桜花賞ではキストゥヘヴンを、そして先日行われた菊花賞でもソングオブウインドに育成調教を施した空港牧場。延長された屋内直線坂路コースで鍛えられた優駿たちが、来年のクラシックレースも沸かせることになりそうだ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　胆振案内所取材班