馬産地ニュース

強い馬づくりのための生産育成技術講座2009が開催

  • 2009年12月28日
  • 頃末憲治氏
    頃末憲治氏
  • 田中弘祐氏
    田中弘祐氏
  • 井上喜信氏
    井上喜信氏
  • 大勢の人が詰め掛けた
    大勢の人が詰め掛けた
 JRA日高育成牧場が主催する「強い馬づくりのための生産育成技術講座2009」が12月17、18日の両日に馬産地日高の門別、及び浦河で行なわれた。

 JRA日高育成牧場が「強い馬づくり」のために取り組んでいるさまざまなテーマについての普及啓蒙活動の一環で、今回は「分娩時期の予測と初乳について~アイルランドの最新事情~(頃末憲治氏)」「子馬の肢勢について(田中弘祐氏)」「JBBA牧場巡回事情(カウンターパート)の取組総括(井上喜信氏)」の3テーマ。17日は日高町門別総合町民センター2階大集会室で、18日は浦河町基幹集落センターで、それぞれ生産育成関係者を集めて行なわれた。

 JRA日高育成牧場専門役の頃末憲治氏は、自身がアイルランドに留学して学んだことを中心に、アガ・カーン殿下の生産理論や、クールモアグループのサラブレッドビジネスに対する考え方も交えて講演を行なった。「サラブレッドは経済的価値の高い動物ゆえに管理が不可欠」といい、分娩あるいは生後まもない仔馬に対する管理の重要性を説明した。

 JBBA総合研修センター田中弘祐調査役は、馬の肢勢が歩様や馬体に及ぼす影響などを解説し、その矯正方法や適正な肢勢などの自説を披露。とくに肢勢異常の早期発見や対処は馬の価値をいたずらに下げることになる事例を紹介した。

 同育成牧場生産育成研究室主査の井上喜信氏は、JBBA日本軽種馬協会が「軽種馬経営高度化指導研修事業」の一環として行なっている牧場巡回指導の取り組みについての総括を行なった。同事業は、米国の栄養コンサルティング会社から専門家を招聘し、その技術をもって国内の指導者(カウンターパート)を養成しようというもの。理想的な発育を促すために必要な栄養素や育成環境などを紹介した。

 いずれも現場の実体験に基づいた報告だけに、集まった生産育成関係者は真剣そのもの。講義終了後には熱心な質疑応答が続いた。
取材班