馬産地ニュース

ハートの王子・マサノウイズキッドが中央で初勝利

  • 2009年08月20日
  • 中央初勝利を飾ったマサノウイズキッドと勝利に導いた四位騎手
    中央初勝利を飾ったマサノウイズキッドと勝利に導いた四位騎手
  • 留萌特別ゴール前
    留萌特別ゴール前
  • 中団待機策から見事に差しきった
    中団待機策から見事に差しきった
  • 関係者の皆さんと口取り
    関係者の皆さんと口取り
 額にハートマークの流星を持ち、高い素質を持った若駒としてデビューから注目を浴びていたマサノウイズキッド(牡3歳 美浦・小島茂之厩舎)が、8月16日、札幌競馬場で行われた留萌特別(500万下・芝1800m)で見事優勝。ホッカイドウ競馬から中央競馬へ移籍後、嬉しい初勝利を飾った。

 馬主の中村さんはレース後、「この日を待っていました!本当に嬉しいです。いつも多くの方に応援いただき、ありがとうございます」と、満面の笑みで口取りへ向かった。

 “ハート王子”の人気ぶりは相変わらずで、パドックでは写真を撮るファンも目立ち、女性の声援も数多く飛んでいた。同馬の関連グッズを作るなど、ホッカイドウ競馬在籍時からマサノウイズキッドを応援している北海道の大学生グループ「TEAM North Heart」のメンバーも、この日はパドックに横断幕を出して応援。レース後は“泣きそうなぐらい嬉しいです!感動しました”と歓喜に沸き、中村オーナーのご厚意で口取りに加わった。ウイナーズサークルは温かいムードに包まれた。

 競馬記者の古谷剛彦さん(JRDB)にレース回顧を伺うと、「レース前、管理する小島茂之調教師から“道営デビュー馬で北海道のファンの多い馬なので、何とか北海道で勝たせたい”と聞いていました。具合も良さそうでしたし、折り合いに難しい馬でしたが、鞍上の四位洋文騎手の好騎乗もあり、折り合いがつくようになってきましたね。昇級しても十分通用できる馬だと思います」と、分析。次走も期待できそうだ。

 マサノウイズキッドの生産者は日高町の道見牧場。2007年京成杯(Jpn3)を制し、皐月賞(Jpn1)で2着に入ったサンツェッペリンを生産している。道見忠信社長はレース当日牧草作業に忙しく、自宅で応援していたそうだ。

 「今回も特別戦でしたし、道中は後ろの位置だったので、届くかなぁと思って見ていましたが、直線で差してきた時は応援にも力が入りました。沢山の方に応援していただいて、今回勝利することができて本当に良かったです。まだまだこれからの馬だと思いますが、今後も無事に走って欲しいです。仕事の都合がつけば、次走は競馬場まで応援に駆け付けたいですね」と、喜びを語った。

 マサノウイズキッドの母ファーストクラスは今年、父ゴールドヘイローの牡馬を無事出産。1歳にも同じく父ゴールドヘイローの牡馬がいる。

 「マサノウイズキッドは形のきれいな馬でしたね。全弟の1歳、当歳はちょっとタイプが違って、馬のつくりがガッチリしたタイプです。母ファーストクラスは高齢ですが、今年もゴールドヘイローを無事受胎してくれました。今度は後継牝馬が産まれてくれると嬉しいですね」と、道見社長。兄の活躍を受け、同じ血を引く産駒たちも続いて欲しいところだ。

 人気実力共に上昇カーブを描くマサノウイズキッド。北海道の地での会心の勝利を機に、更なる飛躍に期待したい。
取材班