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東京大学にて「日本ウマ科学会」が行われる

  • 2007年12月01日
  • 東京大学で行なわれた日本ウマ科学会
    東京大学で行なわれた日本ウマ科学会
  • 同

 日本ウマ科学会の第20回目を迎える学術集会が、11月26日と27日の2日間に渡って東京大学農学部で行われた。
 2日目の27日には「ウマ生産技術を考える!」というシンポジウムでは、ノーザンファーム場長の秋田博章氏が、「世界を見据えた競走馬生産」という講演を行った。
 
 秋田氏は講演の最初に、ノーザンファームの1歳馬における12年前と、現在の写真を比較させ、個体管理による競走馬生産について現在の取り組みを話した。また、秋田氏は今日の馬取引の中心となっているセリの重要性を説いた上で、
「売れるための馬を作るのではなく、走る馬を育てることをまず一番に考える。それが牧場に良質の血統馬を残すことへと繋がり、更に走る馬を作り出すことへと繋がっていく」と話した。

 その後に行われた「技術者たちが目指すもの・求めるもの」では、「獣医師の立場から」ではNOSAI日高の樋口徹獣医師、「装蹄師の立場から」では日高装蹄師協会の武田英二氏が、そして「栄養管理者の立場から」ではハラマキファームクリニックの服巻滋之獣医師が講演を行った。3者は自らの視点から見る競走馬生産や管理について話をしながらも、「生産者を交えたそれぞれの協力体制が不可欠」ということでは意見が一致した。
 
 一般講演ではメジロ牧場の舘江弘明氏も「分娩後のサラブレッド種牝馬における繁殖効率」というテーマで研究結果を発表。平日の午前中から行われたにも関わらず、多くの競馬関係者や北海道からも多くの生産者の姿が見られ、質疑応答では時間が足りなくなるほど活発な意見が交わされていた。

                    日高案内所取材班