馬産地ニュース

国際GⅠ香港マイル優勝馬ハットトリックの牧場取材

  • 2005年12月14日
  • 追分ファーム~今夏撮影
    追分ファーム~今夏撮影
ハットトリック号の生産者 
追分ファーム・吉田正志氏のコメント

 ゴールした瞬間は一瞬ボーっとしてしまいましたが、直後に嬉しさが込上げてきました。綺麗な西日の差すシャティンのスタンドで、勝利の余韻に浸れた一時は本当に夢のようでした。
 レース前にパドックで本馬を見たときには、毛ヅヤも非常に良く、動きも柔らかに見えたので「状態はいい!これはイケルな」と思いましたが、期待通りの結果となってくれて、本当に嬉しく思います。これも万全の準備と仕上げをしてくれた厩舎関係者の皆さんのお陰だと、心から感謝しています。
 コースの馬場状態や、本馬の脚質を考えると、「なんとか外枠に入ってくれないかな」と思っていましたが、枠順抽選で厩舎関係者が見事に希望通りの外枠を引いてくれました!!ペリエ騎手も外枠を希望していたようですしラッキーでしたね。一方香港ヴァーズの方は僕の妻がくじを引きましたが、こちらも希望通りの枠となりました。僕にはそういった「くじ運」というものが全く無いので、「自分がくじを引かなくて良かったなあ・・・」といま改めて思いますね(笑)

 香港ヴァーズのシックスセンスは2着でしたが価値のある2着だったと受け止めています。日本では三冠馬の影で「最強の2着馬」と言われたりもしましたが、今回は「世界最強の2着馬」になれたのではないでしょうか。いずれにしても3歳馬で世界の強豪を相手に大健闘してくれましたので、来年は一層の活躍を期待したいです。

 2頭とも輸送も難なくこなしてくれましたし、香港の馬場やコースも2頭にとっては相性が良かったのではないでしょうか。マイルCSで中央の芝GⅠを初めて勝利したばかりなのに、更にこんな大きなプレゼントが貰えるなんて、本当に嬉しく思いますし、今はこの喜びを与えてくれた馬にとても感謝しています。

         取材 :競走馬のふるさと胆振案内所(05/12/13)


取材メモ・・・

◇ハットトリック号◇
父サンデーサイレンス 母トリッキーコード(Lost Code)
牡・青鹿毛・01/4/26生・4歳馬  2001年セレクトセール取引馬(7,140万円)
馬主:(有)キャロットファーム  調教師:栗東・角居勝彦  生産牧場:追分町・追分ファーム
通算成績:13戦8勝(香港を含む)
主な成績:マイルCS GⅠ(05年)、東京新聞杯 GⅢ(05年)、京都金杯 GⅢ(05年)

◇追分ファーム◇
 社台グループ創設者である亡き吉田善哉氏の三男・吉田晴哉氏が代表を務めるマーケットブリーダー。平成8年に開場し、現在は繁殖牝馬約40頭を飼養し追分町で生産活動を行っている。牧場で生産された馬は社台ファームもしくはノーザンファームで育成され競走を迎える。主な生産馬として、ゴールドアリュール(03′フェブラリーS他)、フェリシア(04′フェアリーS)、シックスセンス(日本ダービー3着)などがいる。

◇吉田正志さん◇
 牧場の代表を務める吉田晴哉氏の長男で現在25歳。H16年に牧場へ入社した後すぐにイギリス、アメリカと約半年間の研修を経て今年の春に牧場へ戻り、学生時代からの知り合いである早智さんと7月にご結婚。胆振軽種馬農協の青年部などにも所属されご活躍中。