馬産地ニュース

“装蹄師の卵”が馬産地で研修

  • 2009年07月28日
  • 先輩装蹄師の削蹄の様子を真剣に見つめる研修生
    先輩装蹄師の削蹄の様子を真剣に見つめる研修生
  • 悪戦苦闘しながら削蹄を行う研修生
    悪戦苦闘しながら削蹄を行う研修生
  • 先輩装蹄師の指導を受けながら蹄を削った
    先輩装蹄師の指導を受けながら蹄を削った
 栃木県宇都宮市にある装蹄師養成施設、社団法人日本装蹄師会装蹄教育センターは、7月22日から10日間の日程で、日高や胆振地区の牧場施設を回る「平成21年度装蹄師認定講習会北海道研修」を行った。
 同センターは装蹄師を養成する国内唯一の教育機関。1年の講習を経て認定試験に合格すれば、晴れて装蹄師のライセンスを得ることができる。
 北海道研修は1年の講習の中で、もっとも重要な研修のひとつ。実際に馬産地の牧場や競走馬になる過程を肌で感じることで、装蹄という仕事を改めて見つめ直す機会と位置づけられている。
 研修に参加したのは18歳から36歳までの15期生14名。研修2日目には、新ひだか町の新和牧場を訪問し、乗馬を用いての削蹄を実践した。普段は教育センターのおとなしい研修馬を用いて削蹄実習を行っているが、生身の馬は初めての体験。同牧場の谷岡毅社長や、蹄の管理を任させている武田英二装蹄師らの指導の下、立ち上がったり、嫌気をさす馬に悪戦苦闘しながら課題をこなした。
 研修生の一人、馬が好きで静岡県から北海道の静内農業高校に進学し、馬術部で活躍した大石野真人(18歳)さんは「イメージしていたのと実際のやり方がぜんぜん違うので苦労した。自分なりにわかったことを整理し、今後に生かしたい」。塗装業から馬に関わる仕事がしたいと装蹄師を目指す大島佑介(32歳)さんは「ディープインパクトで西内壮装蹄師のTVを見て装蹄の仕事を知りました。入学してからは見るのとやるのではぜんぜん違うので戸惑いはあったが、仲間と一緒に夢に向かっているという期待、充実感がある。今日は馬が暴れているのを見て一歩間違えば怪我すると改めて思った。覚悟を持って取り組まなければ」と決意を新たに。大学卒業後、一般企業に就職し、学費を貯めてから教育センターに入学した角田純(25歳)さんは「小学生のときサイレンススズカのファンになり、橋田満調教師に手紙を書いて交流が始まりました。死んだときはショックでしたが、馬の脚のケアをしたいと装蹄師を目指しました。将来は馬の気持ちがわかる装蹄師になりたいです」と、それぞれの思いを語っていた。
 なお、社団法人日本装蹄師会装蹄教育センターの平成22年度(2010)装蹄師認定講習会の受講生は11月30日から願書受付開始。


募集要項・詳細は日本装蹄師会のホームページをご覧ください。
日本装蹄師会
取材班