馬産地ニュース

出産期の中、繁殖牝馬の栄養管理講習会が開かれる

  • 2009年02月02日
  • 講演会の様子
    講演会の様子
  • 生産者、関係者の関心は高い
    生産者、関係者の関心は高い
  • ジョーベイガン博士の講演
    ジョーベイガン博士の講演
  • 木村慶純研修センター長
    木村慶純研修センター長
 JBBA日本軽種馬協会(河野洋平会長)は1月29日、新ひだか町の静内ウエリントンホテルで座長に井上喜信(JRA日高育成牧場)、講師にKERケンタッキーエクワインリサーチのジョーペイガン博士を迎えて「分娩前後における繁殖牝馬の栄養管理」をテーマにした講演会を行なった。
 
 これはJBBA日本軽種馬協会が平成17年度から実施している「競走馬生産振興事業」のひとつである「軽種馬経営高度化指導研修事業」の一環として行なっているもの。今回、講師として来日したジョーペイガン博士は、2005年の全米馬栄養学研究大賞を受賞している馬の栄養学に関するエキスパートだ。
 会場となったホテルには用意した机と椅子をはるかにオーバーする生産者、獣医師、装蹄師らが足を運び、急きょ会場を広げるほどの盛況ぶり。関心の高さをうかがわせた。
 会に先立ち、軽種馬生産技術総合研修センターの木村慶純センター長は「強い馬づくりには馬の栄養管理に関する知識は不可欠なもの。ペイガン博士は日本の馬産地にも何度も足を運び、生産事情にも精通しています。今回の講演が、みなさまの強い馬づくりの一助になることを期待しています」とあいさつ。続いてペイガン博士がスライドを使いながら生産効率をあげるための栄養管理戦略を解説した。
 繁殖牝馬への給餌を「妊娠初期」「妊娠後期」「授乳期」と3つのステージにわけて栄養管理を行なう必要性、銅の補給がもたらす有効性、そしてボディコンディションスコア(以下、BCS)に関するおさらいなどのあと、季節が繁殖牝馬のBCSに及ぼす影響などをデータを交えて解説した。また、KERが開発した魚油の有用性などをアピールした。講義終了後には「運動量との関連性」や「1歳馬の栄養管理」など熱心な質疑応答が繰り返された。
 出席した浦河町の生産者は「経験則に基づいて得た知識に理論の裏づけができた。また、魚油など興味深い話も聞けたので、いろいろ試してみたい」と目を輝かせていた。

                  日高案内所取材班