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ナイキアディライトが優駿SSに種牡馬入り

  • 2009年01月19日
  • 8日、種牡馬入りしたナイキアディライト
    8日、種牡馬入りしたナイキアディライト
  • 同

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 2003年の南関東2冠馬ナイキアディライト(牡9歳、父ディアブロ)が8日午後、新冠町の優駿スタリオンステーションに入厩した。

 同馬は、新冠町のハシモトファームの生産馬。「生まれたときから良い馬でしたよ。生まれた馬を見て、オーナーも喜んでくれましたから」と同ファームの橋本浩さんがふりかえるようにバランスのよい、綺麗な馬だったという。
 2歳秋に、船橋競馬の出川龍厩舎からデビュー。恵まれたスピードを武器に、影をも踏ませぬ快進撃で連勝を重ねた。4馬身、2馬身半。JRAの芝コースでは持ち味を発揮できなかったが、3歳初戦のブルーバードCを5馬身差、京浜盃で後続に4馬身の差をつけると、羽田盃、東京ダービーをともに5馬身差で逃げきった。
 また、4歳になってかしわ記念で2歳年上の3冠馬トーシンブリザードを完封すると、続く帝王賞では得意の形に持ち込んで王者アドマイヤドンをハナ差まで追い詰め、日本テレビ盃ではアジュディミツオーの追撃を半馬身差振り切った。頑ななまでに南関東4競馬場にこだわり続けた姿勢と、潔いくらいの逃げ戦法。そして何よりも内外の強豪を相手にした名勝負で多くのファンの心をつかんだ。
 ビックリするようなタイトルはないけれど、コツコツと積み上げた記録は5年連続の重賞制覇、通算重賞12勝と近年の南関東を代表する1頭にまでなった。大きな故障をすることなく、47戦のキャリアをまっとうできたことは大きな勲章になった。
 
 「馬運車が嫌いで、今回も納得するまでなかなか乗ろうとしなかったらしいのですが、それ以外はいたってマジメな扱いやすい馬のようですね」とは出迎えた橋本さん。「本当に頑張ってくれましたし、こうやって種牡馬として産地に帰ってきてくれたのは生産者冥利につきます。オーナーも楽しみにしていると聞いていますし、自分でも配合していくつもりです」と、早くもまだ見ぬ仔を楽しみにしている様子。
 内外から導入される高額シンジケートばかりが生産地を支えているのではない。オーナーの愛情と、生産者の思いも競馬には欠かせないものなのだ。

                  日高案内所取材班