馬産地ニュース

生産育成牧場における馬の歯の管理」講演会が開かれる

  • 2008年11月21日
  • 盛況となった講演会
    盛況となった講演会
  • ケンタッキーから招聘したジャック・イースリー氏
    ケンタッキーから招聘したジャック・イースリー氏
  • JBBA総合研修センター仙波裕之次長
    JBBA総合研修センター仙波裕之次長
 11月18日、新ひだか町の静内ウェリントンホテルで「生産育成牧場における馬の歯の管理(主催・日本軽種馬協会)」と題した講演会が行われました。
 馬の歯の管理については、アメリカなどでは1954年に設立された「アメリカ馬獣医師協会」などをとおして情報の提供が行われていますが、まだ日本では十分とはいえません。大手牧場などでは海外から歯科獣医師を招いてケアをしていますが、一般的には特別な症状がある場合に獣医師が治療を施す程度です。しかし、近年では騎乗馴致をする際の若馬のハミ受けを良くするためや繁殖牝馬の体調向上などのためにも歯の管理の重要性が認識されるようになってきました。
 
 そういう状況を鑑み、歯の管理に関する第一人者で、現在米国ケンタッキー州で臨床獣医師として活躍するジャック・イースリー先生を招いて講演会が行われました。
 用意された100席はあっという間に埋まり、イスを追加するほどの盛況ぶり。イースリー獣医師、年齢による馬の歯の生え方から、生え変わり、牡牝の違いなどを説明したうえで、「歯に問題を抱える馬は、痛みや炎症など明らかな症状を見せる場合と、まったく目に見えない場合があります。少なくとも年に1度は定期的な検診を行い、歯の健康維持に努める必要があります」と馬の歯の管理の重要性を説明しました。
 人間の世界でもスポーツ選手などは歯の噛みあわせはとても重要とされています。人間との意思疎通をハミに頼らざるを得ない馬の場合は、とくに大切なものとして今後、ますます重要視されることになるのかもしれません。

                    日高案内所取材班