馬産地ニュース

北海道日高装蹄師会が造鉄講習会

  • 2020年11月13日
  • 6名の若手装蹄師が課題に取り組んだ造鉄講習会
    6名の若手装蹄師が課題に取り組んだ造鉄講習会
  • 手本を見せる講師の森野健太氏
    手本を見せる講師の森野健太氏
  • 挨拶する武田英二会長
    挨拶する武田英二会長

 11月10日、胆振や日高の装蹄師で構成する北海道日高装蹄師会(武田英二会長)は、浦河町西舎にあるJRA日本中央競馬会日高育成総合施設軽種馬装蹄所において、令和2年度造鉄講習会を開催した。

 この講習会は毎年秋に栃木県宇都宮市にある公益社団法人日本装削蹄協会装蹄教育センターにて開催される全国装蹄競技大会前に行われているが、今年は新型コロナウイルスの影響で全国大会が中止になったため11月にずれ込んだ。

 講習会の開催にあたり武田会長は「本日はお忙しいところ、お集まりいただきありがとうございます。コロナ禍のなかで、こういう講習会を開くのはどうなのかとは思いましたが、少しずつでもやっていって前に進まないといけませんし、次に向けてステップアップしていただきたいという思いもあって、先日の役員会で講習会を開催しようと決めました。例年ですと外部からゲストも招きますが、こういうご時世ですので今回は会員だけの参加になります」とあいさつした。

 講習会の内容は、全国装蹄競技大会基準の造鉄を行い、講師が製品の採点をするというもの。講師は全国大会で優勝経験があるノーザンファーム所属の中舘敬貴氏と森野健太氏が務めた。

 中舘氏は「今回初めて参加する方もいますが、来年の大会があるかどうかはまだわかりませんが、あるとおもって苦手なところを克服できるようやってみてください。私もわかる範囲でアドバイスします」とあいさつ。森野氏は全国大会のルールブックの内容、改訂されたところや注意点を説明した。

 講習会では6人の若手装蹄師が造鉄。真っ赤に燃え上がるコークスの炎の中でまっすぐな鉄かんを熱してハンマーで叩いて成型していった。

 参加者は完成した蹄鉄を見比べ、良い点や改善するポイントなどをディスカッションした。

 講習会を終えた武田会長は「三密を避けてソーシャルディスタンスを配慮しての講習会になりましたが、実りある一日になったと思います。全国大会は装蹄師にとって大きなモチベーションになります。来年は無事に開催されることを願って、会員は日々技術の研鑽に取り組んでほしいです」と振り返った。