馬産地ニュース

ジェイエス繁殖馬セールが開催される

  • 2020年11月04日
  • 最高価格で落札されたマルルー
    最高価格で落札されたマルルー
  • 最高価格を記録したマルルーは3,300万円で落札された
    最高価格を記録したマルルーは3,300万円で落札された
  • 高額2位ラルシュドール
    高額2位ラルシュドール
  • 高額3位アイアムカミノマゴ
    高額3位アイアムカミノマゴ
  • 高額4位リトルアマポーラ
    高額4位リトルアマポーラ
  • 高額5位ペイフォワード
    高額5位ペイフォワード

 40年以上の歴史を持ち、不敗の三冠牝馬デアリングタクトの母デアリングバードが取引されたことでも注目が高まった「繁殖馬セール(主催・ジェイエス)が10月28日に北海道新ひだか町の日本軽種馬協会北海道市場で開催された。

 215頭(前年比3頭減)の繁殖牝馬が上場されて、140頭(同1頭減)が落札。総額で595,045,000円(税込み、以下同)を売り上げた。

 セールに先立ち、服部健太郎社長は「今年は新型コロナウイルス感染症対策により、さまざまな制限がある中で、例年同様たくさんの方々にご参加いただきましたこと、感謝申し上げます。この繁殖馬セール取引馬の子供たちは、直近の1年間だけでデアリングタクトを含め15頭が中央、地方の重賞勝ち馬の母となっております。今年の上場馬の中にも必ずや、そのような繁殖牝馬がいると思いますので、よろしくお願いします」とあいさつ。活発な取引を呼び掛けた。

 最高価格は最優秀2歳牝馬スティンガーを母に持ち、ジャスタウェイを受胎しているマルルー(5歳、父キングカメハメハ)の36,300,000円。400万円からはじまったせりは、20万円単位でせり上がり、途中から50万円単位に。1000万円を超えても購買者の勢いはまったく衰えることなく100万円単位となってさらにヒートアップ。結果的には(株)サンデーヒルズが36,300,000円で競り合いにピリオドを打った。

 高額2位は京成杯(G3)に勝ったベルーフの半姉ラルシュドール(11歳、父シンボリクリスエス)。相性が良いハービンジャーを受胎しており。こちらはテクノファームが、26,400,000円で落札した。

 高額3位は阪神牝馬S(G2)の優勝馬で、現役オープン馬ダノンフェイスの母でもあるアイアムカミノマゴ(14歳、父アグネスタキオン)。ドレフォンを受胎しており、矢野牧場が23,100,000で落札した。

 また、エリザベス女王杯(G1)に勝って最優秀3歳牝馬に選出されたリトルアマポーラ(15歳、父アグネスタキオン)は全体4位となる22,000,000円で中辻明氏が、ハービンジャーを受胎して上場されたベイフォワード(5歳、父ディープインパクト)は 20,900,000円で鬼塚義臣氏によって落札されている。

 セール終了後、服部社長は「繁殖牝馬セールは上場馬の量や質に大きく左右されるものなので、前年との数字の比較は難しいのですが、今年はとにかく無事に開催できたことに胸を撫でおろしています。販売申込者や、購買者の方々はもちろんですが、日本軽種馬協会や日高軽種馬農業協同組合にも感謝の意を表したいと思います。牝馬の価値は、競走成績だけではないということを示す目的でスタートさせた市場ですが、この市場を通してチャンスは誰にでもあるということをお示し出来たのではないかと思っています」と総括した。