ウポポイオータムスプリントは10歳馬メイショウアイアンが重賞4勝目
11月に施行される道営スプリント、JBCスプリントへのトライアルレースとして新設された第1回ウポポイオータムスプリント(H3)【ホークビル賞】が9月22日、ダート1200mの舞台で行われた。
モリデンリオが出走を取り消し、3歳~10歳のスプリンター10頭がエントリー。1番人気に推されたのは、最年長の10歳馬メイショウアイアンで2.5倍。10歳になった今年も中央交流重賞の北海道スプリントカップ(Jpn3)を制し、グランシャリオ門別スプリント2着と古豪に衰えは見られない。3.6倍の2番人気はソイカウボーイ。地元重賞挑戦は2歳時以来となるが、その間他場へ遠征し実績を重ねてきた。今季は地元スプリント戦2戦2勝と勢いが止まらない。3番人気は3歳牝馬アザワクで4.2倍グランシャリオ門別スプリントではレコードタイムで快勝。新世代のヒロインに注目が集まった。
レースは、ブラゾンドゥリスが出遅れたもののほぼ揃ったスタート、スタートダッシュを決めたのはアザワクだったが、それを制すように外からオールドベイリー、エイシンバランサー、ソイカウボーイが押して激しい先頭争いを繰り広げた。3コーナーで完全に抜け出したのはオールドベイリー。後続を突き放し淡々と馬群を引っ張って行く。3~4コーナーでソルサリエンテが2番手に上がり、直後にソイカウボーイも逃げるオールドベイリーを射程圏内に捕らえた。ソルサリエンテがオールドベイリーを交わしたところで外からソイカウボーイとメイショウアイアンが並んで追い込み、3頭横一線でゴール板を駆け抜けた。写真判定の結果、メンバー中上がり最速の脚で大外飛び込んで来たメイショウアイアンに軍配が上がった。勝ち時計は1分12秒6(晴・稍重)。ハナ差2着にソルサリエンテ、更にハナ差の3着はソイカウボーイと言う結果だった。
メイショウアイアンとのコンビで重賞3勝目をあげた落合玄太騎手は「前走は盛岡へ遠征しての競馬でしたが、疲れもなく良い状態でレースに挑めました。砂を被ると進んでいかないところがあるので、有力馬を前に見ながら徐々に外へ出し、砂を被らない位置に出したらもう一段ギアを上げて伸びてくれました。この馬にはいつも助けられてばかりで、本当に感謝しています」とパートナーを労った。
田中淳司調教師は「前の馬も脚色が鈍っていなかったから、届くかどうか最後までヒヤヒヤしました。10歳馬とは思えない、今が一番充実しているんじゃないかってくらい体調はよかったですね。上積みは難しいかも知れませんが、疲れを残さないように今後も調整していきます」と安堵の表情。次走は昨年9着に敗れたJBCスプリント(Jpn1)に再び挑戦する予定だ。
メイショウアイアンは、父マヤノトップガン、母デヒアバーズ、母の父デヒアという血統の10歳牡馬。生産は新ひだか町静内の藤沢牧場。2018年(8歳時)JRAからにホッカイドウ競馬へ移籍後、18年に盛岡の絆カップ、19年にグランシャリオ門別スプリント、今年は北海道スプリントC(Jpn3)とウポポイオータムスプリントを制し、年齢を感じさせない走りをみせている。通算成績は56戦11勝。