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王冠賞はコパノリッチマンが最後の一冠に輝く

  • 2020年07月27日
  • 霧がたちこめる中コパノリッチマンが抜け出す
    霧がたちこめる中コパノリッチマンが抜け出す
  • コパノリッチマンが最後の一冠に輝いた
    コパノリッチマンが最後の一冠に輝いた
  • スタッフに迎えられ1着の枠場に入った
    スタッフに迎えられ1着の枠場に入った
  • 重賞初勝利、これからの活躍に期待がかかる
    重賞初勝利、これからの活躍に期待がかかる
  • 厩舎関係者による口取り写真
    厩舎関係者による口取り写真

 7月23日、門別競馬場では3歳クラシック最終戦となる北海道新聞社杯第41回王冠賞 (H2)【サトノクラウン賞】がダ1800mで行われた。

 今年の出走馬は、牡13頭、牝1頭の14頭。

 1.5倍という断然の1番人気は北海優駿勝ち馬、アベニンドリーム。二冠を目指し体制は万全だ。離された2番人気はグレイトダージーで6.4倍。重賞は初挑戦になるが、古馬相手の条件戦を5馬身、6馬身差の圧勝で二連勝を飾り、ここへ挑んできた。7.0倍の3番人気には北海優駿3着のコパノリッチマン。最後の一冠奪取で意地を見せたいところだ。

 名物となってしまった濃霧が発生し、前日の10Rは取り止めになった門別競馬場。この日も終日モヤモヤと白い悪魔に包まれていたがなんとかメインレースまで滞りなく辿り着けた。スタンド前からのスタート、飛び出したのは11番人気のソイチーノと9番人気のカツゲキダイオウ。2頭が馬群を率いる形でマイネルスタイル、グレイトダージー、ヨハネスボーイ、レッドカード、コパノリッチマンがつづき、人気のアベニンドリームはその後ろに進路を取った。向こう正面に入ると肉眼ではほぼ見えない。4コーナーを周り、再び馬群が確認できた時には中団にいたはずのコパノリッチマンが先頭に踊り出ていた。抜け出したコパノリッチマンに北海優駿馬アベニンドリーム、北斗盃馬レッドカードが追い込んでくる。しかし追い詰めるまでには届かず、コパノリッチマンが最後の一冠を手に入れた。勝ち時計は1分55秒7(曇・重)3/4馬身差の2着にアベニンドリーム、1馬身差の3着はレッドカードと、実績馬が上位を占めた。

 今季重賞2勝目となった服部茂史騎手は「前走北海優駿ではいきなりの距離延長で馬もかかり気味でしたが、3着という立派な走りをしてくれました。今日も位置取りよりも折り合い重視で。上手く落ち着いてくれて成長を感じましたね」と笑顔で振り返った。

 管理する田中淳司調教師は、今季JRAから移籍してきたコパノリッチマンに一から競馬を教え直したそうで「JRA時代はちゃんと競馬をしていない印象だったので、教える意味で短い距離で3戦させてもらいました。ブリンカーを付けて集中させ、ゲートを出たら前に進むんだぞという基礎的なことを復習しました」。地道な作業が功を奏し、条件戦を三連勝。北海優駿に挑戦しようと話は進んだ。「内枠だったら今日のようなレースはできなかっただろうし、枠順に恵まれましたね。早めに動いて出し抜ければと考えていましたが、全てが噛み合いました」と喜びを爆発させた。

 コパノリッチマンは、父ヘニーヒューズ、母ホーマンピクシー、その父キングカメハメハという血統の3歳牡馬。生産は新ひだか町の前谷武志さんで、2018年のHBAセレクションセールにおいて2,376万円(税込)で売却された市場取引馬。