星雲賞はクインズプルートが勝利
7月15日、門別競馬場では古馬によるマイル重賞、週刊Gallop杯第17回星雲賞(H3)【アルアイン賞】が内回り距離1600mで行われた。昨年の同レース3着で人気の一角を担うであろうモズオトコマエが出走を取り消し、5歳から10歳までの7頭がエントリーした。
1番人気に推されたのはクインズプルートで1.8倍。JRAのダート中距離戦で逃げを身上としてきた同馬は、1年半の休養を経て今季からホッカイドウ競馬に移籍。長期休養明けでもスピードは衰えず、移籍初戦で逃げ切り勝ちを収めると、つづく赤レンガ記念でも最後まで粘り2着を確保していた。3.6倍の2番人気はモズノーブルギフト。重賞はまだ未勝利だが、コスモバルク記念3着などの実績があり、主役級の力があることは間違いない。3番人気は大井競馬から移籍2戦目となるアルタイルで5.7倍。JRA所属時はオープンクラスで活躍、8歳馬ながら馬体は若々しく、ここで底力を見せてもらいたい。
スタンド前からのスタート、当然のようにハナから飛ばすクインズプルートに、外からピッタリマークするモズノーブルギフト、直後にリアライズリンクス、アルタイルがつづく。完全なる包囲網を敷いたと見られていたが、向正面で早くもリードを広げるクインズプルートに誰もついていけない。直線に入ると独走態勢に入り、そのまま危なげなくゴール板を駆け抜けた。勝ち時計は1分40秒1(曇・稍重)4馬身差の2着に最後の直線で追い込んできたクラキングス、3/4馬身差の3着はモズノーブルギフトという結果だった。
グランシャリオ門別スプリントにつづき、今季重賞2勝目となった小野楓馬騎手は「マークされるのはわかっていましたが、馬の力を信じて、思い切って乗りました。気持ちが前向きの馬なので、馬の邪魔をしないようにと常に心がけていますし、馬の気分に合わせて乗った結果です」と話し、調教からずっと跨っている相棒との重賞勝利に喜びもひとしお。
安田武広調教師は「ジョッキーから調子はいいと聞いていたので、自信はあったし、安心して見ていられましたね。今後については遠征も含めて検討していきたいです」と振り返った。
クインズプルートは、父ゴールドアリュール、母ゾイゾイ、その父Seeking the Goldという血統の7歳牡馬で、生産は新冠町の新冠橋本牧場。今季からホッカイドウ競馬に移籍した本馬は、2度目の重賞挑戦で初重賞制覇。今後も古馬中距離重賞の中心となっていくだろう。