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北海道スプリントカップ(Jpn3)は地元メイショウアイアンが勝利

  • 2020年06月10日
  • 砂塵を巻き上げながら4コーナーを周る
    砂塵を巻き上げながら4コーナーを周る
  • 3頭が並んでゴールに飛び込んだ
    3頭が並んでゴールに飛び込んだ
  • 田中淳司調教師も思わずガッツポーズ
    田中淳司調教師も思わずガッツポーズ
  • 20年振りの地元所属馬の優勝
    20年振りの地元所属馬の優勝
  • メイショウアイアンと喜びの口取り写真
    メイショウアイアンと喜びの口取り写真

 6月4日、門別競馬場では今年最初の中央競馬交流重賞となる。日刊スポーツ賞・第24回北海道スプリントカップ(Jpn3)がダ1200mで行われた。

 直前地元のジョウランが出走を取り消したが、JRA所属馬4頭、他地区大井からハヤブサマカオー、岩手からスティンライクビーが参戦し、14頭で争われた。

 人気はやはりJRA所属馬に集中。2.0倍の1番人気は武豊騎手騎乗のマテラスカイ。18年のプロキオンS(G3)の勝ち馬で、同年JBCスプリント(Jpn1)、19年ドバイゴールデンシャヒーン(G1)2着とワールドワイドな活躍を見せている。4.3倍の2番人気はこれが初めてのダート重賞挑戦となるスズカコーズライン。ダート短距離オープンで力を付け、6歳にして大舞台に挑む。5.4倍の3番人気もやはりJRA所属馬のショーム。5歳の同馬も重賞初挑戦。地元勢では、今季JRAから移籍してきたニットウスバルが10.8倍の5番人気。移籍初戦のジャスタウェイ・プレミアムで3馬身差の圧勝、8歳馬ながら力のあるところを見せつけた。

 好天が続き、門別の馬場は砂埃で真っ白になる程に乾いていた。この馬場を攻略できるのはどの馬か。レースは2コーナーポケット地点からスタートした。煽り気味に出たノボバカラ、ショームのJRA勢は後方から。人気のマテラスカイが飛び出し先手を奪うと、大井のハヤブサマカオー、スズカコーズライン、地元キタアルプス、岩手のスティンライクビーなどが追走する。4コーナーを周っても軽快に逃げるマテラスカイの脚は止まらない。直線を向いて鬼脚で追い上げてくるのはホッカイドウ競馬の10歳馬、メイショウアイアン。2番手を行くスズカコーズラインに並びかけ、逃げるマテラスカイを捕らえにかかるが、3頭の併せ馬でゴール板に飛び込んだ。写真判定の結果ハナ差でメイショウアイアンが競り勝った。勝ち時計1分12秒8(曇・良)。マテラスカイとスズカコーズラインが2着同着となったあたり、激戦を物語っている。

 10歳馬、6番人気のメイショウアイアンが大金星を掴んだ。地元ホッカイドウ競馬所属馬の北海道スプリントC(Jpn3)優勝は2000年のオースミダイナー以来、20年振りの快挙だ。

 昨シーズンから手綱を握っている落合玄太騎手は昨年の同レース2着だったことを振り返り「去年も頑張ったんですがあと少しのところで負けてしまったので、今日は勝てて嬉しいです」と声を弾ませた。「オフシーズンは休養に充て、前走で叩いて状態も上がってきていたので、レース前はもしかしたら、という手応えはありました。砂をかぶると下がってしまうところがあるので、枠順に恵まれていいポジションでレースができましたし、最後まで馬が頑張ってくれました」。

 前日3日のフレッシュチャレンジ競走で1,200勝を達成した田中淳司厩舎は今季も絶好調。とりわけこの勝利は格別だったようで「年齢との戦いになるので衰えを出さないように調整するように努めてきました。今日は納得いく仕上がりでしたし、枠順を見た時からチャンスはあるなと期待もしていました。強いJRAの馬を相手に勝つことができて感無量です」と喜びを爆発させた。

 メイショウアイアンは、父マヤノトップガン、母デヒアバーズ、母の父デヒアという血統の10歳牡馬。生産は新ひだか町静内の藤沢牧場。JRAの準オープンクラスで活躍していたが、2018年(8歳時)にホッカイドウ競馬へ移籍。同年11月、盛岡に遠征し絆Cで重賞初勝利すると、翌19年のグランシャリオ門別スプリントを制し重賞2勝目をあげた。その後も地元重賞で連対を外したことがなく、豪快な追い込みを身上とし、年齢を感じさせない走りをみせている。通算成績は53戦10勝。