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赤レンガ記念はステージインパクトが勝利

  • 2020年05月25日
  • 真ん中を突き抜けて先頭に迫るステージインパクト
    真ん中を突き抜けて先頭に迫るステージインパクト
  • 8歳の古豪が得意の距離で意地を見せた
    8歳の古豪が得意の距離で意地を見せた
  • 2年半振りの重賞制覇
    2年半振りの重賞制覇
  • 苦楽を共にする厩舎スタッフと口取り写真に収まった
    苦楽を共にする厩舎スタッフと口取り写真に収まった

 5月21日、門別競馬場では伝統の一戦、第57回赤レンガ記念(H3)【マインドユアビスケット賞】が行われ、4歳から9歳までの古馬9頭がダート2000mの舞台で競い合った。

 1番人気は、前走コスモバルク記念で競り合ってレースを引っ張ったリンノレジェンド(8着)とサトノグリッター(5着)が3.4倍で人気を分け合った。5.3倍の3番人気はコスモバルク記念勝ち馬のドラゴンエアル。4番人気は17年の道営記念馬で、コスモバルク記念2着のステージインパクトで6.3倍。8.4倍の5番人気に2000mの重賞が得意のモズオトコマエまでが単勝一桁台と人気は割れていた。

 レースは4コーナーポケット地点からスタート。揃った飛び出しから前に出たのは、大外枠の6番人気、クインズプルート。逃げ宣言をしていたサトノグリッターがこれを制し、ハナを奪い取る。直後にステージインパクト、リンノレジェンド、ドラゴンエアルもつづく。2馬身後方にクラキングス、モズノーブルギフト、モズオトコマエ、離れた最後方にアルネゴーと、縦長の展開。淡々と進むレース、直線勝負に持ち込まれた。逃げていたサトノグリッターが力尽き、先頭に躍り出たのは2番手を進んでいたクインズプルート。後続を突き放し、このまま勝負を決するかと思われた瞬間、鬼脚を繰り出したステージインパクトが真ん中を突き抜けて来る。残り50mで先頭が入れ替わり、8歳馬ステージインパクトが重賞制覇を果たした。勝ち時計は2分10秒5(晴・良)1馬身差の2着にクインズプルート、クビ差3着には、ステージインパクトと同タイムの上がり時計で追い上げたモズオトコマエが入り、やや波乱の結果となった。

 昨年の秋からコンビを組んでいる宮崎光行騎手は「前走コスモバルク記念で2着だったように、春初戦はエンジンがかかるのが遅いので、調教から乗って早めに動けるように調整してきました。その甲斐あってか馬の調子もドンドン良くなりましたし、今回もデキは良かったですね」と振り返った。レースについては「この距離は合ってるし、自信はありました。理想の位置取りで4コーナーではいけるかな?と感じました。8歳だけどまだ良くなりますよ」とパートナーを讃えた。

 管理する佐久間雅貴調教師は今季重賞初勝利。「追い切りの状態も良かったし、厩舎でやるべきことはやった、あとは宮崎騎手に託す気持ちで見ていました。距離は長い方がこの馬の長所が活かせますし、状態も更に上向きでまだ伸び代があるのかと驚かされますね。とても嬉しいです」と喜びを爆発させた。

 ステージインパクトは、父ヴァーミリアン、母クラッシードレス、その父エリシオという血統の8歳牡馬で、生産は日高町豊郷の高山牧場。中央、園田を経て2017年からホッカイドウ競馬に移籍、同年の道営記念を3番人気で制した。その後は惜敗が続いていたが、2年半振り、2度目の重賞勝利となった。