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コスモバルク記念は9歳馬ドラゴンエアルが勝利

  • 2020年04月28日
  • 直線の攻防は古豪の一騎打ちに
    直線の攻防は古豪の一騎打ちに
  • 抜け出したのは9歳馬ドラゴンエアル
    抜け出したのは9歳馬ドラゴンエアル
  • 立ち上る湯気は低い気温を物語る
    立ち上る湯気は低い気温を物語る
  • 厩舎関係者のみの口取り写真
    厩舎関係者のみの口取り写真
  • スタンド内で行われた簡易表彰式
    スタンド内で行われた簡易表彰式

 4月23日、サッポロビール杯第10回コスモバルク記念(H2)【ゴールドシップ賞】が門別競馬場ダート1800mで行われた。

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、無観客競馬で行われた同レース。今年は4歳から9歳までの9頭が顔を揃え、ホッカイドウ競馬開幕に相応しい激戦を魅せた。1.9倍という断然の1番人気に推されたのは、昨年道営記念を3歳で制したリンノレジェンド。シーズン終了後も北海道に残り、このレースに照準を合わせてきた。3.7倍の2番人気は、約1年の長期休養を経て今季からホッカイドウ競馬に移籍したサトノグリッター。JRA2勝の5歳馬は移籍初戦を勝利で飾れるか。3番人気はコツコツと勝ち星を重ね、道営記念3着など重賞で堅実なモズオトコマエで5.4倍だった。

 中盤なごり雪と言うには遅すぎる感のある暴風雪が襲ったが、メインレースの頃にはすっかり上がり、馬場状態は稍重。今季から一新された重賞ファンファーレがガランとした競馬場に鳴り響く中レースはスタート。ネイチャーレットが立ち遅れ後方からとなったが、飛び出した1番人気リンノレジェンドは先頭に立ち、レースを引っ張る。ピッタリと付けたのはサトノグリッター、外から芦毛の馬体モズオトコマエ、人気の3頭が先頭集団を形成した。内に虎視眈々とドラゴンエアル、クラキングス、モズノーブルギフトらがつづいた。向こう正面に入るとリンノレジェンドとサトノグリッターが後続を大きく突き放し、2頭の一騎打ちかと思われた。しかし4コーナーでリンノレジェンドが失速。後続勢が押し寄せ、粘りこみを計るサトノグリッターに内からドラゴンエアル、外ステージインパクトが襲いかかる。勢いに勝るドラゴンエアルが後続を封じ、重賞4勝目を飾った。勝ち時計は1分56秒7(曇・稍重)1/2馬身差の2着にステージインパクト、クビ差の3着にモズノーブルギフトと古豪の奮闘により波乱の結果となった。

 2017年の瑞穂賞以来、3年振りの重賞勝利となった9歳馬、ドラゴンエアル。鞍上の服部茂史騎手は「普段の調教から年齢的なことも考慮して、あまり疲れを残さないように工夫しながら調整してきた甲斐もあって、良い状態で臨めました。最内枠を引いて、自分のレースができればと考えていましたし、馬も一生懸命最後まで踏ん張ってくれたので、よく頑張りましたと言いたいですね」と相棒を労った。

 管理する田中淳司調教師は「今季最初の重賞を勝てて、幸先の良いスタートが切れました」と声を弾ませた。レースに関しては「9歳という年齢から上積みはそれほど期待できないと思っていたんですが、内でじっと力を溜めて、ペースが流れたのが勝因ですかね。最後は底力を見せてくれましたし、馬に感謝です」。

 ドラゴンエアルは、父タイムパラドックス、母シルクアウローラ、その父クロフネという血統の9歳牡馬。新ひだか町静内にある千代田牧場のオーナーブリーディングホース。デビューは南関東川崎競馬、3歳時岩手のダービーグランプリを制し重賞初勝利。2017年の6歳シーズンからホッカイドウ競馬に移籍し、移籍初戦の赤レンガ記念でいきなり2着するなど以降は道営古馬重賞の常連として活躍してきた。