イーストスタッドで種牡馬展示会
2月13日、浦河町西幌別にある日高東部最大のスタリオンとして有名なイーストスタッドにおいて、2020年種牡馬展示会が開催された。
開催にあたり谷川貴英イーストスタッド代表は「今日はお忙しいなか、たくさんの方にお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。また、遠方の方から、オーナー様、調教師様、こちらの方に足を運んでいただきまして、誠にありがとうございます。今回はアドミラブル、ヘンリーバローズ、そしてグァンチャーレと3頭の新種牡馬を展示することになってまして、合わせて19頭、皆さんにお見せいたします。ぜひ、御覧になって事務局の説明を聞きながら、配合の検討をしていただければと思います」とあいさつした。
最初は近藤英子オーナーが見守る中、アドミラブルが展示された。本馬は青葉賞(G2)をレースレコードで飾って、日本ダービー(G1)では一番人気に推された大器。キャリア5戦での引退となったが、母系に皐月賞馬ヴィクトリー、日本ダービー馬フサイチコンコルド、皐月賞馬アンライバルドというクラシックホースがいる母系、昨年急死した父ディープインパクトの後継として期待を集めている。
2番目に登場したヘンリーバローズは人気種牡馬シルバーステートの全弟。デビュー戦はのちの日本ダービー馬ワグネリアンと同タイムの2着、2戦目は4馬身差圧勝と素質の高さを見せた。猪熊広次オーナーは「このヘンリーバローズはセレクトセール当歳で角居さんと一緒に選んで買いました。新馬は一番人気で中京の2000mに出たんですけど、のちの日本ダービー(G1)を勝ったワグネリアンに鼻差だけ負けてしまいまして、その後、未勝利は楽勝して、これでダービー(G1)獲れるかなと期待していた馬です。脚部不安になりまして、1年休んで、その後、回復が思わしくなかったものですから、今回、種馬にしました。ヘンリーバローズは勝ったときに、馬主の友達から、ようやく大物が出たね、といわれたことを、非常によく覚えてます。良い仔が生まれたら、できるかぎり見たいと思いますので、良い牝馬につけていただければと思います」とあいさつ。
管理した角居勝彦調教師は「たった2回しか走らなかったので、非常に残念だし、ちょっと後悔が残ってる馬ですけど、この上のお兄さんのシルバーステートが非常に種馬として人気があるような話を聞きました。この馬の良さは、非常に肩の動きが柔らかくて、沈み込むたびに加速していくというところです。人間が操作しなくても加速していくっていう不思議なタイプの馬でした。まだ仕上げ切れてなかったところでの故障でしたし残念なんですけれども、そういうところが子供たちに受け継がれていくんだろうなと思ってます。ぜひみなさん、ヘンリーを超えていく馬を作っていただければと、素晴らしい形ですし血統もいいのでたくさんの人につけていただけたら嬉しい」と応援メッセージを送った。
3頭目のグァンチャーレの展示には管理した北出成人調教師が「グァンチャーレ号は、スクリーンヒーローの産駒がほしくてオーナーにお願いして買っていただいた馬です。2歳の夏の中京で新馬を下ろし7歳の暮れまで、実に42戦、故障という故障が1回もなく、タフに活躍をしてくれました。お手元の資料にありますように、3着内率が40何%という、信じられないくらいの実績を残してくれて、本当によく頑張ってくれたと思います。調教も良く動いてくれましたし、タフな活躍を子供に伝えてもらったらいいかなと思っております。ほかにもスクリーンヒーローの後継種牡馬2頭おりますけれども、その馬に負けないくらいの活躍をしてもらいたいと思っております」とあいさつした。
その後は産駒デビューのダノンレジェンド、ホッコータルマエ、初産駒誕生のインカンテーション、シゲルカガ、人気のマジェスティックウォリアーなどが集まった生産者に元気な姿を見せた。