馬産地ニュース

社台スタリオンステーションで種牡馬展示会が開催される

  • 2020年02月10日
  • 社台SSとしてはサンデーサイレンス以来となる米年度代表馬の導入となったブリックスアンドモルタル
    社台SSとしてはサンデーサイレンス以来となる米年度代表馬の導入となったブリックスアンドモルタル
  • ブリックスアンドモルタルと年度代表馬を争ったマキシマムセキュリティの父ニューイヤーズディ
    ブリックスアンドモルタルと年度代表馬を争ったマキシマムセキュリティの父ニューイヤーズディ
  • ダービー馬レイデオロも仲間入り、右は藤沢調教師
    ダービー馬レイデオロも仲間入り、右は藤沢調教師
  • 電撃引退となったスワーヴリチャードも元気な姿で登場した
    電撃引退となったスワーヴリチャードも元気な姿で登場した
  • 会場内は新種牡馬の写真で飾られていた
    会場内は新種牡馬の写真で飾られていた

 日本の生産シーンをリードする社台スタリオンステーションの種牡馬展示会が2月6日、午前11時30分に関係者約900人を招いて行われた。

 風もなく、穏やかな陽射しの中でスタートした展示会は途中、激しい雪に見舞われるなど不安定な時間帯もあったが、予定通りに全30頭のスタリオンパレードが終了。次々に紹介される名馬、名種牡馬のラインナップは、見るものを圧倒するような豪華ラインナップだった。

 スクーリングも兼ねて、開始時刻前から周回を重ねていたのは今シーズンから種牡馬生活をスタートさせる米国産ブリックスアンドモルタル(6歳、父ジャイアンツコーズウェイ)。3歳2月にスタートさせた競走生活は、途中ケガによる長期離脱もあったが、復帰後は5つのG1競走含め7戦7勝。ダート競馬は主流の米国とはいえ、芝の中距離路線で無敵の快進撃を続けた同馬の評価は高く、圧倒手的支持で年度代表馬のタイトルを獲得している。父は全欧年度代表馬で、米チャンピオンサイアー。欧州でも、米国でも、そして日本でもG1優勝馬を送る伝説的名馬だ。日本の競馬、とりわけディープインパクト、キングカメハメハと相性の良さを示しているストームキャット系種牡馬というのも、セールスポイントになりそうだ。

 2頭目の新種牡馬はダービー(G1)と天皇賞(秋) (G1)に勝ち、ジャパンカップ(G1)、有馬記念(G1)2着のレイデオロ。それだけでも十分なアピールとなるが、父がキングカメハメハで、祖母はディープインパクトの半姉。平成の時代を代表するような血統構成となっている。ディープインパクト牝馬と配合されれば、名牝ウインドインハーヘア4×3。ディープインパクトを配合するような牝馬は優秀なファミリーの馬が多いだろうから、楽しみは増すばかりだ。ただし、残念ながら今年の配合は予定数に達しているために申し込みの受付は終了しているとのこと。

 続いて紹介されたのは米国のブリーダーズCジュヴェナイル優勝馬ニューイヤーズディ。種牡馬としても初年度産駒が重賞勝ち馬を送り、2世代目産駒のマキシマムセキュリティは2019年のケンタッキーダービー(G1)1位入線馬。このレースは残念なことに最終コーナーで外へ大きくよれてしまったことで降着処分となってしまったが、この馬の2019年シーズンは、8戦6勝2着1回。もし仮にケンタッキーダービー(G1)が入線通りに確定していたとしたら3歳牡馬チャンピオンのタイトルばかりではなく年度代表馬をも手中にしていたかもしれない。

 新種牡馬のトリ務めたのはスワーヴリチャード。4歳春の大阪杯(G1)でG1ウイナーの仲間入りを果たしたあとは勝利の女神から見放されたようなレースを続けてしまったが、好メンバーがそろった昨秋のジャパンカップ(G1)に優勝。見事な復活を遂げた馬だ。さらなる飛躍が期待されたが、有馬記念(G1)のレース中に脚部不安を発症し引退が決まった。その後は、同スタリオンステーションが誇る名種牡馬、名種牡馬候補のオンパレード。すべての種牡馬を紹介し終えたあとは、再び新種牡馬を展示してフォトセッションを行うなどサービスも行き届いたスタリオンパレードとなった。