JBBAが獣医師向け講習会
11月28日、公益社団法人日本軽種馬協会は、新ひだか町静内田原にある静内種馬場の研修所講義室と軽種馬生産技術総合研修センターにおいて、獣医師向け講習会を開催した。
この講習会は日本ウマ科学会との共催で、JRA日高育成牧場、日高獣医師会、胆振獣医師会、日高軽種馬農業協同組合が後援。獣医師を対象にした実技を伴うもので、当日は日高や胆振から約70人の獣医師が出席した。
講習会の講師にはフランスのフロレント・デヴィッド氏を招聘。午前の講演は「後肢跛行診断と治療(膝関節領域)」、午後からの実技は「膝関節領域の超音波画像診断」がテーマになった。
開催にあたり主催者を代表して静内種馬場遊佐繁基場長は「JBBAでは軽種馬経営高度化指導研修事業の一環として昨日、ドクター・タチアナ・ヴィナデル先生による牧場関係者の方々を対象に、後肢跛行をどのように診断するか?と題した講演会を実施いたしました。本日はドクター・フロレント・デヴィッド先生に、獣医師を対象にした講演会と、そして、午後からはウェットラボを実施いたします。お忙しいなか出席した皆様におかれましては、ぜひ、日ごろから悩ましい後肢跛行診断と治療、膝関節領域の超音波画像診断法について、大いに学んでいただきたいと思います」とあいさつ。座長は日高軽種馬農業協同組合獣医師の前田昌也氏が務めた。
講師のデヴィッド氏はフランスのリヨン国立獣医学校卒業後、カナダのモントリオール大学レジデンシープログラムを修了し、同大学獣医学教育病院に勤務。その後、アイルランドのダブリン大学獣医学部大動物講師を経てオランダのユトレヒト大学にて博士号を取得した。現在はカタールのアルシャカブ馬獣医医療センターに勤務。主に馬スポーツ医学、リハビリテーション、馬の超音波検査分野、腹腔鏡検査、間接鏡検査、胸腔鏡検査などの低侵襲手術を専門分野としている。
デヴィッド氏は講演の中で、膝関節のエコー検査について、どのようにエコー画像を取得するか、低調な場合にどのようなことが見て取れるのか、そして、デヴィッド氏が経験した症例を紹介。それらを通じて膝関節のエコー検査をすることによって、どのような情報が得られるのかを解説した。
昼食を挟んで午後からのウェットラボでは、実習馬を用いて実際にデヴィッド氏がエコー検査を行い、画像を見ながら大事なポイントを説明し、出席者もデヴィッド氏からアドバイスを受けながら検査を実践した。