ジャスタウェイを訪ねて~ブリーダーズ・スタリオン・ステーション
繋養種牡馬産駒が米国ブリーダーズカップクラシック(G1)に2頭フォーエバーヤング=父リアルスティール、テーオーパスワード=父コパノリッキーが出走を予定している日高町のブリーダーズ・スタリオン・ステーション。2026年シーズンも、21頭の種牡馬ラインナップで延べ1,451頭の繁殖牝馬に配合を行った人気スタリオンだ。
その中に、2014年のワールドベストレースホースランキングにおいて、日本産、日本調教馬として初めて第1位となったジャスタウェイがいる。17歳、雄大で、威圧感のある馬体は現役時代の面影を十分に残している。ここでの6年目、通算すれば12年目のシーズンを無事に終えた。現在は、来るべき種付シーズに向けて英気を養っている。
「年齢を重ねて、少し大人になったような部分もありますが、まだまだ元気。普段の運動などの時には若い馬に負けないくらいに激しいところを持ち合わせている馬ですが、基本的にはマイペース。ベテランらしく、放牧地でも馬房でも、ほかの馬の事はあまり気にならないようです」と紹介してくれたのは同スタリオンステーションの坂本場長だ。
「不思議な縁といっては言い過ぎかもしれませんが、ジャスタウェイが走った新潟2歳S(G3)(結果は2着)と、勝った天皇賞(秋)(G1)は、たまたま現地で観戦しているのです」という人馬にまつわるエピドートを話してくれた。
その第148回天皇賞(秋)(G1)で、福永祐一騎手(現調教師)を背に5番人気で出走したジャスタウェイは、好スタートを切ったもののレース序盤は馬群の後方でじっと脚を溜めると、最後の直線で末脚を炸裂。メンバー最速の末脚で圧倒的な1番人気に支持されていたジェンティルドンナに4馬身差。連覇を狙ったエイシンフラッシュには、そこからさらに2馬身を付けて先頭ゴールインを果たしている。前3走は重賞競走で連続2着。悔しい思いを重ねてきた同馬が、まさに覚醒した瞬間だった。
そして、その勝利をきっかけに翌年の中山記念(G2)、ドバイデューティフリー(G1)そして安田記念(G1)と3つのG1競走含め、重賞4連勝。ドバイデューティフリー(G1)の快走が求められて、この年は世界一の称号が与えられた。
「そんな事もあって、個人的にもデビューした産駒には注目していました。初年度産駒から皐月賞(G1)2着、日本ダービー(G1)と菊花賞(G1)で3着となるヴェロックスを送り出してくれたのは嬉しかったですし、この馬が移動してきたのはマスターフェンサーが交流重賞を連勝中のときで、移動して数日後には、ダノンザキッドがホープフルS(G1)を不敗のまま勝利して、JRA賞の最優秀2歳牡馬に選ばれました。種付シーズンに向けてスタッフが湧きたった事をはっきりと覚えています」と回想してくれた。
「それ以降も芝、ダートを問わずに高いレベルで活躍馬を送りだしていますので、生産者の方からも、購買者の方からも根強い人気がある馬です。すでにダノンザキッド、マスターフェンサー、ヤマニンウルスと血を繋いでくれる馬もいますが、まだ老け込む年齢ではないはず。もうひと花もふた花も咲かせてほしい」とエールを送る。
そう考えるファンの方も多いらしく、夏の見学期間は同スタリオンステーション屈指の人気種牡馬だそうだが、基本的には〝塩対応〟。「理由はよくわからないのですが、顔が見たいというファンの方が多いです。でも、馬房の奥に引っ込んで、なかなか出てこない事が多い。もう少し愛想良くしてくれたら良いのに」とスタッフを困らせているが、現役時代の大和屋オーナーも頻繁に足を運んで再会を楽しんでいるそうだ。
「2歳の早い時期から頭角を現していた馬ですが、古馬になって急成長したあたりは父ハーツクライそっくりだと思っています。ハーツクライが晩年になってからドウデュースを送り出したように、これからのジャスタウェイにも期待したいと思います。これからもジャスタウェイと、その産駒を応援してください」というのは、この馬に関わるスタッフ一同の思いだ。















