タイトルホルダーを訪ねて~レックススタッド
シーズンにもなれば、2,000本を超える桜が直線約7kmに渡って咲き誇る北海道囲新ひだか町の二十間道路。その道路沿いには3つの大型スタリオンがあり、年間約2,500頭もの繁殖牝馬が行き交う。
第82回菊花賞馬にして、2022年のJRA賞最優秀4歳以上牡馬に選出されたタイトルホルダーは、その一角にあるレックススタッドで3年目のシーズンを終えた。供用初年度から2年連続して150頭以上の繁殖牝馬に配合を行い、3年目シーズンは139頭。産まれた産駒の出来の良さが評判となって変わらぬ人気を誇っている。今春のセレクトセールにおいて初年度産駒の1頭が1億5400万円(税込)で取引されたのは記憶に新しい。
(株)レックスの事務所からほど近い放牧地。〝威風堂々〟と言った雰囲気を醸し出したタイトルホルダーがいた。ヤマニンウルス、ゴールドドリーム、ブリックスアンドモルタルに囲まれた放牧地。隣の馬が何かに驚いてもどっしりと構えてマイペースを崩さない。そう、あの菊花賞(G1)の時もそうだった。
日本ダービー馬(シャフリヤール)皐月賞馬(エフフォーリア)不在の三冠最終戦。人気は割れた。その中でも、もっとも多くの人から支持を集めたのは、日本ダービーは大敗したものの春シーズンは京都新聞杯(G2)に勝ち、前走の神戸新聞杯(G2)2着のレッドジェネシス。続いて、皐月賞(G1)3着、日本ダービー(G1)3着で神戸新聞杯(G2)を勝って挑むステラヴェローチェ、春シーズンは全休したもののそれからホープフルS(G1)2着馬で、休み明けのセントライト記念(G2)3着のオーソクレースと続き、タイトルホルダーは前走のセントライト記念(G2)で大敗したこともあってやや離れた4番人気。しかし、持ち前のレースセンスを武器に勢いよくゲートを飛び出すと、マイペースの逃げに持ちこみ、結果的には2着オーソクレース5馬身差をつけてゴールへと飛び込んだ、菊花賞(G1)での逃げ切りは1998年のセイウンスカイ以来23年ぶりの快挙だったという。
「基本的には、扱い易い馬です。人間が求めるものを理解してくれる。それから心身ともに学習能力の高い馬です。種付けを経験する前と後では馬がガラリと変わって種牡馬らしい体になってきました」と鮫川純一場長が紹介してくれた。実は、生産者の岡田スタッドも同じような事を話しており「成長力が凄い。離乳して馬が変わり、ひと冬を越してまた馬が変わった。その変化は育成に入るとさらに顕著になり、デビューしてからも変わらず変化し続けた。この成長力は最大の武器」と話していた。
撮影を行ったのは秋シーズン。種付シーズン以外は体力を持て余しているようだが、2025年秋に札幌競馬場で行ったお披露目会の際も大勢のファンが見守るパドックを堂々とした姿を披露してくれた。
事務局の(株)レックスも「種付けを経験した供用2年目あたりから、種牡馬としての自覚が出てきたようで、我の強さを見せるようになりましたが、許容範囲内。産駒は、骨がとてもしっかりしていて、パワーが凄い。父ドゥラメンテ、祖父キングカメハメハ譲りの強靭な筋力をストレートに遺伝させているように感じます」と高い評価を与えている。
鮫川純一場長は「期待は大きいです。スピードとスタミナ、そして優れたレースセンスを受け継いだ産駒の活躍を期待したいですが、まずは無事に。タイトルホルダー自身がそうだったように丈夫な体質を受け継いで、どの産駒もケガや病気とは無縁の、息長い競走生活を送って欲しいです」とエールを送っている。初年度産駒のデビューは、2027年春。今から、その日が楽しみだ。















