馬産地コラム

ステラヴェローチェを訪ねて~JBBA静内種馬場

  • 2026年10月06日
  • シャープなアスリート体型を今もキープしている
    シャープなアスリート体型を今もキープしている
  • 3年目シーズンに向けて英気を養う日々を送っている
    3年目シーズンに向けて英気を養う日々を送っている
  • 「外面の良いタイプ」という言葉どおりにポーズを決めてくれた
    「外面の良いタイプ」という言葉どおりにポーズを決めてくれた
  • 供用2年目シーズンは24頭の牝馬に配合した
    供用2年目シーズンは24頭の牝馬に配合した
  • 観光周遊バス「ロマン・ロード号」ツアーの参加者は、見学が可能だ
    観光周遊バス「ロマン・ロード号」ツアーの参加者は、見学が可能だ

 今年12回目とまだレースとしての歴史は浅いものの、過去の優勝馬にはダノンプレミアムやグランアレグリア、サリオス、ドルチェモアなどが名を連ね、いわゆる出世レースとしての地位を確立しつつあるのが、サウジアラビアRC(G3)。かつて、重賞格上げ前の「いちょう特別」「いちょうS」時代にもシンボリルドルフやエアグルーヴ、メリーナイスにイスラボニータといった馬たちが、このレースをステップに翌年のクラシック戦線へと歩を進めている。

 日本軽種馬協会静内種馬場で、供用2年目シーズンを終えたばかりのステラヴェローチェは、2020年のサウジアラビアRC(G3)優勝馬。この年は、新型コロナのまん延防止策として2月29日から無観客競馬を行っていたが、このレースが行われた10月10日からインターネットによる事前抽選により一部再開。入場を許された852人のファンの前で行われたレースだった。

 折しも、2日前から降り続く雨で馬場は「不良」。

 人気を集めていたのは、不良馬場で行われたデビュー戦を勝利で飾っている牝馬のインフィナイト、そして皐月賞馬エポカドーロの半弟で札幌競馬場芝1,800m新馬戦を勝ちあがってきたキングストンボーイだったが、勝ったのは、バゴの産駒で3番人気ステラヴェローチェ。予定していた6月6日の新馬戦は外傷性鼻出血のためにエントリーを見送ったが、仕切り直しとなった7月の新馬戦を逃げ切り、この日は約3か月ぶりの実戦で馬体重は14kg増。それでもじっくりと後方で脚を溜めるとぬかるんだ馬場をものともせずに、馬場の真ん中を豪快に突き抜けて、クラシック戦線に名乗りをあげた。

 期待された3冠クラシックは皐月賞(G1)3着、日本ダービー(G1)3着、そして菊花賞(G1)4着。その後、脚部不安を発症してG1制覇はならなかったものの、大きなケガを乗り越えて大阪城Sに優勝。札幌記念(G2)でも強力ライバルたちを相手に3着と健闘した。通算成績は19戦4勝2着2回3着3回。

 現役を引退後は、JBBAスタリオンとして長く活躍してくれたバゴの後継種牡馬として、そしてエフフォーリアやシャフリヤール、タイトルホルダーといった馬たちを相手にクラシックを戦い抜いた能力を産駒たちに伝えている。

 「2年目シーズンも無事に終える事ができました。気持ちも、体も若い馬ですが、種付けは上手で、受胎率も高い。この春、生まれた初年度産駒も生産牧場からは高い評価をいただいています」とスタリオンスタッフ。「引き締まったアスリート体型で、そういう意味ではバゴとよく似ています。体のラインも美しく、初お披露目となった昨年の展示会終了後には配合の申し込みが増えました」と、放牧地をキビキビとした歩様で歩き回って存在感をアピールしている同馬に目を細めている。

 なお、同種馬場は一般見学を行っていないが、夏シーズンに、新ひだか観光協会が運行する「ロマン・ロード号」の運行スケジュールには組み入れられている、その時だけはステラヴェローチェだけだが、見学が可能となっている。

 「普段、あまりお見せできていない馬ではありますが、人に見られることに対してストレスは感じていないようです。いわゆる、外面の良いタイプで、参加しているファンの方々からも好評のようです。強いライバルたちと何度も差のない競馬をしていることからも高い能力を持っていた事は間違いないと思いますし、2歳の早い時期から長く活躍してくれた馬。バゴの種牡馬引退というタイミングでのスタッドインにも運命的なものを感じます。果たせなかったG1制覇は子供たちに託したいと思います。応援よろしくお願いします」と、多くの種付けを呼び掛けている。