馬産地コラム

マクフィを訪ねて~JBBA静内種馬場

  • 2026年07月30日
  • 2026年も産駒が重賞勝利(笠松)を記録している
    2026年も産駒が重賞勝利(笠松)を記録している
  • 2025年は産駒3頭がJRAで重賞勝利
    2025年は産駒3頭がJRAで重賞勝利
  • 心身ともに19歳という年齢を感じさせないという
    心身ともに19歳という年齢を感じさせないという
  • 2027年シーズンに向けて英気を養う日々
    2027年シーズンに向けて英気を養う日々
  • マクフィとは「隠された者」という意味だという
    マクフィとは「隠された者」という意味だという

 「名種牡馬ドバウィの初年度産駒にして、不敗の欧州クラシックウィナー」で「初年度産駒から南北両半球でG1ウィナーを送り出し」そして「母の父としても、欧米豪でG1勝馬を送る名種牡馬」。それが、今回紹介するマクフィだ。加えるならば、欧州に残してきたメイクビリーヴは、初年度産駒から仏ダービー(G1)、ヨークインターナショナルS(G1)、ドバイシーマクラシック(G1)の勝馬ミシュリフを送り、その血をさらに広げようとしている。

 日本においても、2025年、JRAで3頭の重賞勝馬(イミグラントソング=NZトロフィー(G2)、シリウスコルト=新潟大賞典(G3)、エーティーマクフィ=京阪杯(G3))を送り出した。JRAにおいて年間3頭の重賞勝馬を送り出したのは、日高管内繋養種牡馬では2024年シーズンから日高町のブリーダーズ・スタリオン・ステーションに移動してきたリアルスティールの4頭に次ぐもので、同じ日本軽種馬協会静内種馬場で種牡馬生活を送るデクラレーションオブウォーと並ぶ第2位タイ。ほかではシルバーステートやゴールドシップ、ファインニードルが達成しているのみだが、その中で80万円(受胎確認後支払い)という種付料は最安値だ。ちなみに、地方競馬の成績を加えれば、初年度産駒から現3歳世代までの6世代すべてに重賞勝馬がいて、6年連続重賞勝利を記録している。

 また、近年では「母の父」として存在感を示しており、この春はキズナ産駒のパントルナイーフが日本ダービー(G1)で勝馬と同タイム2着。ダービー卿ChT(G3)に勝っている全兄パラレルヴィジョンとともに「母の父」としてのマクフィの名を高めた。

 現在は供用2年目シーズンを終えたソットサスと、種牡馬生活を引退しているアルデバランⅡ(28歳)に挟まれた放牧地で英気を養っている。奇しくも、ソットサスの父シユーニとは同世代。2010年のセントジェームスパレスS(G1)では直接対決も実現している。そして、アルデバランⅡの父ミスタープロスペクターは、マクフィの4代父だ。時空を超えた競演を現実のものとしている。

 「19歳。日本での10年目シーズンも無事に終えることが出来ましたが、もう19歳になったのかという印象の方が強いです」と、同種馬場の遊佐繁基場長がマクフィを紹介してくれた。それだけ心身ともに若々しさを保っているからだという。

 「近年では、とくに体のラインがドバウィに似てきたような気がします。同じドバウィ産駒のベンバトルも種牡馬として良いスタートを切ったように、日本の競馬に対する適性の高さを改めて感じるところです」と話し「この10年間で、延べ800頭近い繁殖牝馬に配合いただき、競走年齢に達した8世代で500頭以上の血統登録馬を残すことが出来ました。おかげさまで芝、ダート両方の重賞勝馬にも恵まれました。現役産駒、そしてこれからデビューする産駒もたくさんおりますので、来年以降の種牡馬生活に追い風が吹いていることを感じています」とのこと。「アイビスサマーダッシュ(G3)2勝のオールアットワンスがそうであるようにディープインパクトはじめとするサンデーサイレンス系繁殖牝馬との相性が良く、また母の父としてもキズナとの間に活躍馬を送ってくれたことが印象深いです」と感謝の言葉を続けた。

 「今のところは年齢を感じさせない馬体ですが、少しでも長く、健康に種牡馬生活を送らせてあげたい。そして、できる事ならG1競走に勝って後継種牡馬になるような産駒に恵まれ、その血を日本でも広げて欲しい」と夢を広げている。