アメリカンファラオを訪ねて~JBBA静内種馬場
公益社団法人日本軽種馬協会は2026年6月26日、当初「1年限りのリース供用」としていたアメリカンファラオの供用延長を発表した。2027年も引き続き同種馬場で種牡馬生活を送る。
アメリカンファラオは2015年の米国年度代表馬。37年ぶりの米国三冠馬で、同年暮れにBCクラシック(G1)を勝ったことで史上初のグランドスラムを達成。2021年には「競馬の殿堂」入りを果たしている。米国三冠馬の日本供用は初めての事だが、それに加えて産駒カフェファラオによるフェブラリーS(G1)連覇やダノンファラオのジャパンDダービー(Jpn1)優勝、あるいはスプリンターズS(G1)でアタマ差2着となった快足ジューンブレアなど、その血が中央、地方、芝ダート問わずに高い適性を示していることも追い風となって種付けの希望は殺到。2月5日に行われた種牡馬展示会にも多くの生産者、関係者らが足を運んで関心の高さを伺わせた。
しかし、当のアメリカンファラオはそんな周囲の喧噪などどこ吹く風。27歳になったヨハネスブルグとは隣同士になる1番端の放牧地では、よく寝転んで泥浴びを楽しむのがルーティーン。収牧後は米国クールモアスタッドから帯同してきた厩務員が、毎日シャワーできれいに洗うのが毎日の日課となっていたそうだ。「アメリカンファラオは非常に穏やかで落ち着いた馬。日本到着後も環境の変化による大きなストレスは見られず、食欲や健康状態も安定していましたが、この馬を良く知る帯同厩務員の存在も大きかったと思います。馬の状態を細かく観察しながら日々のコンディション管理を徹底しており、その高いプロフェッショナル意識には私たちも学ぶところが多くありました」と遊佐場長も感心しきり。
そんな人間のサポートもあって、今年はG1・Jpn1をはじめとする重賞勝馬自身に加え、その母やきょうだいなど、競走成績・血統背景ともに非常に優れた牝馬を多く含めた218頭の繁殖牝馬に配合を行ったそうだ。「米国で種牡馬経験のある馬ですから種付けに関して心配はしておりませんでしたが、実際の場面では、世界的な一流種牡馬らしい集中力を見せ、オン・オフの切り替えが非常にはっきりしている馬だと感じました。今シーズンは多くの繁殖牝馬を相手に高い受胎成績を維持するなど、充実したシーズンになったと思います」と多忙なシーズンを総括。「世界最高峰の競走成績を残し、種牡馬としても世界各国で数多くの活躍馬を送り出しているアメリカンファラオが、日本の優れた繁殖牝馬との組み合わせによって、新たな活躍馬が誕生して欲しい」と期待に胸を膨らませる一方で「馬の健康と安全を最優先に考え、当初は1日3頭としていた種付けも、途中から状態を見ながら1日2頭までに制限する日を設けました。結果的にご希望に添えなかったケースもあり申し訳なく思いますが、供用延長も決まりましたので、来シーズンも出来るだけ多くの皆さまにご利用いただけるよう、このまま日本に滞在して、万全の準備を進めます。なにとぞご理解のほどお願いします」というメッセージを預かった。















