馬産地コラム

メイショウハリオを訪ねて~イーストスタッド

  • 2026年06月29日
  • 凛とたたずむ姿に風格が滲みでる
    凛とたたずむ姿に風格が滲みでる
  • パーソナルスペースに入り込もうという怪しい侵入者(カメラマン)には厳しい表情が向けられた
    パーソナルスペースに入り込もうという怪しい侵入者(カメラマン)には厳しい表情が向けられた
  • 幾多の激闘を戦い抜いてきたとは思えぬ優しい瞳
    幾多の激闘を戦い抜いてきたとは思えぬ優しい瞳
  • 芝コースでも軽快な脚さばきを披露してくれた
    芝コースでも軽快な脚さばきを披露してくれた
  • 食欲旺盛な健康優良児だという
    食欲旺盛な健康優良児だという

 強靭な末脚を武器に、史上初めて帝王賞(Jpn1)2連覇を成し遂げたメイショウハリオ。2022年は、9頭立てとやや寂しい頭数となったが、連覇を狙うテーオーケインズと、雪辱を期す前年の2着馬ノンコノユメと3着のクリンチャー。さらに東京大賞典(G1)4連覇のオメガパフュームやドバイワールドC(G1)帰りのチュウワウィザードなどが顔を揃える中、5番人気で出走した本馬は、人気のテーオーケインズをマークするような位置でレースを進めると、残り200m標付近で先頭に並びかけ、最後は2世代年上のチュウワウィザードをクビ差ねじ伏せて、嬉しいJpn1初勝利。2023年は逆に2世代年下のクラウンプライドをハナ差退け、過去46回の歴史の中で誰もなしえなかった連覇という偉業を達成した。その後、8歳時には川崎記念(Jpn1)を制覇。2025年11月のチャンピオンズC(G1)4着を最後に、通算32戦10勝2着4回3着5回(重賞6勝)の成績で、生まれ故郷からほど近い北海道浦河町のイーストスタッドで種牡馬入り。初年度から早くも100頭近い繁殖牝馬を集める人気種牡馬となっている。

 「チャンピオンズC(G1)のあと東京大賞典(G1)に向かうというプランもあったそうですが、レースからちょうど1週間後の12月14日に到着しました。チャンピオンズC(G1)でも上がり3ハロンの推定値はメンバー最速を記録したくらいですから、馬は健康で元気。すぐに種牡馬としての体づくりを行いました」と事務局の(株)ジャパンレースホースエージェンシー。「どちらかといえば、種牡馬としては大人しく扱い易い馬だと思います。最初は大人しくても種付けを経験することで気性の激しさを表面化させる馬もいるのですが、この馬はずっと落ち着いていますし、種付けも上手。あまり余計な事をせずに、淡々と仕事をこなしています。受胎率も良いので、体力的にはまだまだ余裕があります」と、その優等生ぶりに目を細めている。

 種付期間中は、朝5時過ぎくらいから午後1時の種付時間までが放牧時間。与えられた放牧地は種付場からはやや離れた奥まった閑静な場所だが、佐古田マネージャーによれば「とくに深い意味はない」そうだ。隣にいるマジェスティックウォリアーとの相性も悪くなく、良い意味でお互いが無関心。それぞれが、それぞれの時間を楽しんでいるようにも見える。

 放牧地では、少しでも美味しそうな草を求めて比較的歩き回るタイプらしくシャープなラインは崩れていない。筋肉質の馬体が穏やかな陽射しに映えている。

 「当スタリオンとしてはシゲルカガに続くパイロの後継種牡馬です。当然と言えば当然なのですが、配合を希望する生産者の方々の多くはダート馬をイメージしているようです」と事務局。今年2月の初お披露目の際、本馬と苦楽をともにした岡田稲男調教師からは「決して早熟タイプではなく、晩成型の馬で長く活躍する事ができました。力強いバネと勝負根性の持ち主でしたので、芝コースを試してみた」とエールが贈られている。「母系は米国の名繁殖牝馬コートリーディーにさかのぼる母系で、近親には多くの活躍馬、活躍種牡馬がいます。
 おかげさまで、初年度から多くの繁殖牝馬に恵まれましたので、この血を繋いでいけるような産駒に恵まれて欲しいです」と期待に胸を膨らませている。