サトノダイヤモンドを訪ねて~ブリーダーズ・スタリオン・ステーション~
2016年12月25日のクリスマスグランプリを制したサトノダイヤモンドは種牡馬5シーズン目を終えた2023年11月29日、社台スタリオンステーションから日高町のブリーダーズスタリオンステーションへ移動。同SSで迎える初めての種付シーズン、通算6シーズン目の種牡馬生活を送っている。
「セレクトセールの高額落札馬で、競走馬としてその期待通りに結果を残した馬。種牡馬としても初年度産駒から重賞勝ち馬を送り出すなど素晴らしいスタートを切ったなと思っていましたから、当スタリオンでお預かりすると聞いたときは嬉しいというよりも驚きました」と相好を崩しているのは同スタリオンステーションの坂本場長。「印象に残っているのは3歳暮れの有馬記念(G1)です。(ブリーダーズスタリオンステーションで種牡馬生活を送っているブラックタイド産駒の)キタサンブラックがゴール前で差し切られてしまったレースで当時は憎きライバルでしたが、2,500mを走ってもまだゴール前であんな瞬発力を発揮できるなんて、なんて凄い馬なんだろうと感心したレースでもあります」
あの日から約5か月。現在はすっかり環境にも慣れて順調な種牡馬生活を送っている。
「移動してきた初日は環境の変化にいくらか興奮していましたが、それもすぐに落ち着いてくれました。性格的には、イメージどおりの良家の〝お坊ちゃま〟です。人間の指示に従順であるということも育ちの良さを感じます。担当者が休みの時など、若いスタッフにも任せられる優等生です」とのこと。放牧中は見知らぬ馬の気配を感じるとテンションが上がることもあるそうだが、慣れた馬同士ならば意に介さない大物ぶりも発揮。だから、厩舎内では自分の馬房の前をどの馬が歩こうが、ほぼ無関心だそうだ。現在は、ブリーダーズスタリオンステーションの敷地内のほぼ中央に位置する放牧地でひと際高い存在感を示している。
「もともと期待の大きな馬ですから、これからデビューする馬の中にも期待の大きな血統馬がズラリ顔を揃えていますし。今年も順調なペースで種付けを行っています。場所が変わったことで、初めて種付けをする方も多くいらっしゃいます。比較的長い距離で勝ち上がる産駒が多いのは事実ですが、それは個性。その一方で、ダートの新馬戦を勝ち上がった馬もいます。自分自身の個性とポテンシャルをしっかりと伝えられるのは素晴らしいこと。これからのサトノダイヤモンドには期待と楽しみしかありません」とエールを送る。
そんな坂本場長が1番驚いたことは、ファンの多さだという。「移動してきてから送られてくるお手紙とかお守りの多さには本当に驚かされました。感今まで、なかなか感謝の言葉を伝える機会がなかったので、この場を借りて御礼申し上げたい。みなさまの気持ちをしっかりと胸に刻んで管理させていただきます」という言葉を預かりました。