馬産地コラム

マヤノトップガンを訪ねて~優駿スタリオンステーション

  • 2017年04月28日
  • マヤノトップガン
    マヤノトップガン
  • 幼くも見える表情が可愛らしい
    幼くも見える表情が可愛らしい
  • 食欲旺盛で体調も良い
    食欲旺盛で体調も良い
  • マヤノトップガンの放牧地ネームプレート
    マヤノトップガンの放牧地ネームプレート
  • 優駿メモリアルパークの駐車場に入ると銅像が出迎えてくれる
    優駿メモリアルパークの駐車場に入ると銅像が出迎えてくれる

  1997年の天皇賞(春)(G1)をレコードタイムで優勝した、95年の年度代表馬マヤノトップガンを訪ねた。17年に及ぶ種牡馬生活を引退してはや2年、のんびりと新冠町の優駿スタリオンステーションで功労馬として余生を送っている。

   マヤノトップガンは新冠町の川上悦夫さんの生産馬で、父ブライアンズタイム(USA)、母アルプミープリーズ(USA)、母父Blushing Groom(FR)という血統。

 現役時代は21戦8勝。1995年の菊花賞(G1)で初重賞勝ちをG1で飾り、続く有馬記念(G1) では逃げ切り勝ちを演じ、96年の宝塚記念(G1)、97年の天皇賞(春)(G1)に優勝。96年の阪神大賞典(G2)ではナリタブライアンと今も語り継がれる熱戦を繰り広げた。重賞5勝のうち、4勝はG1タイトルだった。

   1998年に優駿スタリオンステーションで種牡馬入り。主な産駒にはスワンS(G2)など重賞4勝したプリサイスマシーン、メイショウトウコン、後継種牡馬となったチャクラ、ホッコーパドゥシャ、目黒記念(G2)の勝ち馬ムスカテール、キングトップガン、トップガンジョー、バンブーユベントス、マサノブルースなどがいる。

 「私が入社し何年か後にマヤノトップガンが来て以来の付き合いです。優駿スタリオン人生を一緒に歩んで来ました。17年間も種牡馬としてやって来られたのは、産駒成績が良かったという事もありますが、やはりお客様に恵まれたのが一番です。お互いに無事にここまで来る事ができて良かった。」笑顔でそう語ってくれたのは優駿スタリオンステーションの山崎努マネージャー。マイペースな性格のマヤノトップガンと試行錯誤しながら向き合って来たそうだ。「種付けは上手にこなしていましたが、多頭数との種付けを好まない所がありましたのでそういう面での苦労はありました。自分のペースを持っていて人の言う事を聞かないのでその辺りを考慮して付き合っていました。現在の一日スケジュールは朝ご飯を食べてから6時に放牧、夕方4時に集牧。手入れをしてご飯を食べての毎日です。今年25歳になり見た目は年を取りましたが食欲も旺盛でとても元気にやっていますよ。この血統は長生きするようですね。年間を通してファンの方が会いに来てくれていますし毎年のように来て下さり顔なじみになった方もいますのでまたお会いするのが楽しみです。そんな皆様のためにも一年でも長く元気でいて欲しいです。」この日も小雨が降る中、訪れたファンの姿があった。

 6月末頃まで多忙を極める優駿スタリオンステーションは人気種牡馬ヘニーヒューズをはじめ直仔で新種牡馬のアジアエクスプレス、ホッコータルマエなど魅力いっぱいのラインナップが顔をそろえている。「新種牡馬はお蔭様で高い人気を頂きありがたいです。今年はエスポワールシチー、ロジユニヴァースの産駒がデビューするので活躍が楽しみですね。一番人気ヘニーヒューズの産駒デビューはトップレベルの産駒が出るように成功を信じています。」山崎マネージャーは相当なプレッシャーを感じながら表情を引き締めた。

 激務から解放されたマヤノトップガンは後輩種牡馬にエールを送りつつ、今日ものんびりと青草を食べ続けている。