馬産地コラム

ハイアーゲームを訪ねて~ビッグレッドファーム

  • ハイアーゲーム
    ハイアーゲーム
  • 体調は良く、サンデーサイレンス産駒らしく気性は強い
    体調は良く、サンデーサイレンス産駒らしく気性は強い
  • 黒光りした見栄えのする馬体を維持している
    黒光りした見栄えのする馬体を維持している
  • 産駒ペアンがさっそく重賞に出走している
    産駒ペアンがさっそく重賞に出走している

 2004年の青葉賞(G2)の勝ち馬ハイアーゲーム(社台ファーム生産)を訪ねた。現在は新冠町のビッグレッドファームで種牡馬生活を送っている。

 取材に応じてくれたのは同ファーム・スタリオンスタッフの福田一昭さん。まもなく今季の種付けシーズンを終えるところだ。

 「体調良く種付けをこなしています。夏は昼夜放牧をして、もっぱら外でリラックスした時間を過ごしています。サンデーサイレンス産駒らしく気性の荒さがあり、そのあたりは注意しながらの管理です。縁あって、一緒に走ったコスモバルクとは同じ牧場になり、互いに近い場所で過ごしていますよ。」と、近況を伝えてくれた。

 セレクトセールで並々ならぬ実績を誇る繁殖牝馬、ファンジカの仔として生まれたハイアーゲームは、1億5,750万円(税込)という高額市場取引馬で、当歳時から注目を集めた。2・3歳時、百日草特別、ラジオたんぱ杯2歳S(G3)、弥生賞(G2)と、コスモバルクの後塵を拝したが、青葉賞(G2)をレースレコードで快勝。続く日本ダービー(G1)ではコスモバルクを交わすも、大王キングカメハメハと火花散る競り合いとなり、3着。それでも、走破時計や負かした相手はそうそうたる顔ぶれで、胸を張れる結果を残した。その後は故障で長期休養を挟み、復帰後に鳴尾記念(G3)で2つ目の重賞タイトルを収め、36戦5勝の成績で引退した。

 種牡馬としては2010年からシーズンを送り、2世代の産駒がデビューしている。初年度の72という数字から交配頭数はやや減少しているが、初年度産駒の一頭・ペアンがダートで勝ち上がってオープン入りし、出世レース・ユニコーンS(G3)に駒を進めたところだ。

 「昨今こそ繁殖牝馬集めに苦戦していますが、初年度産駒から上のクラスで通用する馬が出てきましたし、育成現場からは2歳世代からも楽しみな馬がいると聞いています。父の産駒らしく、芝のクラシックディスタンスを意識させる馬から、ペアンのようにパワータイプも今後出していけるでしょう。父系の気性の強さが、走ることの邪魔にならず、うまく闘争心に結びついてくれればと思います。」と、福田さんは種牡馬としての展望を広げる。

 最強世代ともうたわれる2001年産のG1馬は、種牡馬成績も素晴らしい。ともに戦ったキングカメハメハ、スズカマンボ、ダイワメジャー、ハーツクライはG1馬を送り出し、ブラックタイド、メイショウボーラーもクラシックに出走馬を送り出している。8歳まで現役を続けていた分、同世代の中では遅い種牡馬生活のスタートとなったが、追い上げはこれからだ。

 「ハイアーゲームと同じく、サンデーサイレンス産駒でリーズナブルな種付料という馬が近年増えて、競合相手は多いのですが、一頭でも繁殖牝馬を集めていきたいです。まずはオープンクラスで走る産駒を、堅実に出していきたいですね。」と、福田さんは意気込んでいる。近頃のトレンド“2世代目の躍進”という観点から、今年デビューの世代は増して楽しみ。黒い風となって走る2歳馬、34頭の息子・娘のエンジンに注目したい。