馬産地コラム

グラスワンダーを訪ねて~ブリーダーズスタリオンステーション

  • 2012年01月25日
  • グラスワンダー
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 外国産馬として初めて有馬記念(G1)に優勝。種牡馬としてもG1ホースを出し続けているグラスワンダーを日高町のブリーダーズスタリオンステーションに訪ねた。

 2011年秋、スペシャルウィークが同スタリオンに移動して、いまや伝説となりつつある99年の有馬記念(G1)で激闘を繰り広げた2頭が顔を揃えることになった。さすがに隣同士の放牧地ということはないが、豪華ラインナップは見るものを楽しませてくれている。しかも、2011年の宝塚記念(G1)では産駒でワン・ツー・フィニッシュ(アーネストリーVSブエナビスタ)なのだから、浅からぬ縁のある2頭だ。

 そんな2頭の競演に「例年なら、秋シーズンは夏に比べると見学の方が減るのですが、今年は多かったですね。ステイゴールドが国内シャトルに出たのですが、それを感じさせないくらいの方に足を運んでもらいました」とスタリオンスタッフも驚いている。

 ほか、デュランダルやアドマイヤジャパン、ダンスインザダークにアサクサキングスといった内国産種牡馬が顔を揃える同スタリオンにおいてもグラスワンダーの人気は以前とまったく変わらない。「正確に人気投票をしたわけではないですが、グラスワンダーには女性ファンが多いような気がします」というのは同馬を担当する村尾隆平さんだ。美しい栗毛の馬体。そして現役時代に見せた圧倒的な強さと速さ。そして期待を裏切らない産駒成績。女性ファンがこの馬のまわりに集まるのはわかるような気がする。そして「ファンの方々には愛想がよいんです」というから敵わない。

 そんなグラスワンダーに「ぼくらに対してはプライドの高さを見せることもあるのですけど」と苦笑いする村尾さんも、同馬がかわいくて仕方ないという様子だ。「もちろん、現役時代から知っていましたし、自分が担当になると決まったときは嬉しいという気持ちと同時に責任感を感じました」という。

 2012年シーズンは種牡馬生活12年目。17歳になる。そろそろ年齢が気になり始める頃になるが、張りのある馬体からは年齢を感じさせないオーラのようなものを感じる。アーネストリー、スクリーンヒーローなど産駒の活躍で今シーズンも人気が予想されている。

 「普段は落ち着いている馬です。食べるのが好きで、砂遊びが好きで。シーズンになれば忙しくなると思いますので、万全の体調で迎えられるように準備します」と表情を引き締めている。