馬産地コラム

マルカダイシスを訪ねて~徳重牧場

  • マルカダイシス~1
    マルカダイシス~1
  • マルカダイシス~2
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  • マルカダイシス~3
    マルカダイシス~3
  • マルカダイシス~4
    マルカダイシス~4
  • 休養中で産駒のスズノブレイヴ
    休養中で産駒のスズノブレイヴ

 1996年の鳴尾記念(G2)を勝ったマルカダイシス(牡18歳、父Diesis 母Eloquent Minister)を鹿児島県姶良町の徳重牧場(ホースランドあいら)に訪ねた。

 本馬は1996年1月デビュー、8戦連続して掲示板を確保と堅実な成績を続けていたが、9戦目に初勝利を上げるとポンポンポンと4連勝、一気にオープンへと駆け上がり、トパーズステークスの2着を挟み、重賞初挑戦で鳴尾記念(G2)を制した。翌年、脚部不安を発症し2年に及ぶ長期休養、復帰後は中津~岩手~名古屋と地方競馬を渡り歩いたものの完全復活とはならなかった。

 引退後、鹿児島県の徳重牧場にて種牡馬入り。数は多く無いものの毎年5頭前後に種付けを行い、種牡馬10シーズン目を迎えた昨年も5頭に種付けを行った。これまでに産駒のクリノダイシスが九州産限定重賞のひまわり賞を勝った他、昨年7月には産駒のスズノブレイヴが念願の中央初勝利を挙げている。

 「うちはアラブの種牡馬も繋養していたのですが、当時はちょうどアラブとサラの切り替えの時代でサラブレッド種牡馬の導入を考えていた時期でした。懇意にしていた名古屋競馬の関係者から種牡馬入りの話を持ちかけられて導入を決定しました。ちょうど同じ時期に父Diesisのスギノハヤカゼ(スワンステークス(G2)など重賞4勝)も活躍していましたしね」と種牡馬導入の経緯を語ってくれたのは徳重牧場の徳重推幸さん。

 「種付けは上手というか大好きですね。物凄い勢いで牝馬に飛び掛っていきますよ。数は少ないですが産駒は総じて形が良いので購買される馬主さんからは評価を頂いています」

 徳重牧場は、栗東と同じ構造のウッドチップを敷いた530mの坂路を導入したり育成施設に力を入れている。「うちはハードトレーニングで馬を鍛えていますし、実馬を見せれば売る自信はあるのですが、(父マルカダイシスという活字の)せり名簿だけではなかなか売れませんね。昨年のトレーニングセールが口蹄疫の影響で中止になったのは痛かったですよ~」と口惜しそうだ。

 「それでも、スズノブレイヴの中央初勝利には勇気を貰いましたね。(九州以外で生産した)一般馬相手に5馬身差の勝利ですから爽快でしたよ。マルカダイシスも18歳で種牡馬としては後2~3年が勝負でしょう。厳しい時代ですが牧場・馬主・調教師が力を合わせて九州産馬を盛り上げて行ければと思っています。そういう意味でも『マルカダイシスの仔で霧島賞を勝つ』のが今の私の夢ですね」と力強く語ってくれた徳重さんの情熱が叶うことを願いたいものだ。